DRのビジネスは長年低迷が続いていたが、コロナ禍の影響で生じたヨーロッパ市場での新車の供給不足が転機になり、2021年から販売が急速に上向いた。
イギリスの市場調査会社JATOダイナミクスのデータによれば、ヨーロッパ市場におけるDRブランド車の2023年の登録台数は前年比28%増の2万6809台、EVOブランド車の登録台数は84%増の7287台を記録した。
「DRのクルマは大部分が中国で組み立てられている。イタリアの工場で行っているのは、車両識別番号の打刻やフロントグリルの交換くらいだ」。同社の工場を見学したことがある中国の業界関係者は、財新記者の取材に対してそう証言した。
DRは当局と争う構え
世界の自動車業界では、完成車メーカーが輸出先の国の現地ブランドを使うケースは珍しくない。例えばマレーシアの国民車ブランドとして知られるプロトンは、中国の吉利控股集団(ジーリー)が開発したクルマを自社ブランドで生産・販売している(訳注:吉利はプロトンの株式の49.9%を2017年に買収した)。
そんな中、イタリア当局がDRのビジネスを問題視したのは、(中国製のクルマを自社ブランドで販売したからではなく)消費者をミスリードする宣伝を行っていたからだ。当局はDRに対し、(罰金の支払いと同時に)違法行為の再発防止策を60日以内に提出するよう求めている。
しかしDRは、「わが社のクルマが完全なイタリア製だと宣伝したことはない」と主張。当局の処罰には根拠がないとして、全面的に争う構えだ。
(財新記者:余聡)
※原文の配信は6月21日
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