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株主に「経営陣退陣」を迫られた2社が残した宿題 主導権は会社側が確保するも"一件落着"ならず

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東洋証券に対しては、UGSアセットマネジメントという企業が配当額の引き上げや取締役選任の提案を行っていた。

東洋証券の事情は複雑だ。UGSアセットマネジメント自体の株式保有率は8.9%であるものの、同社と投資先が重複したり、幹部同士の知人関係などが疑われるような株主が複数存在しているのだ。それらを合わせると議決権の保有率は3割近くに達する。

東洋証券はこれらの株主に対して2023年12月、「共同協調関係」に当たると認定したが、株主は否定している。本来、5%超の株式保有や議決権行使を共同で行う場合、大量保有報告書で共同保有者として開示が必要だ。適切な開示をせずに複数の名義で株を買い集める行為は「ウルフパック戦術」と呼ばれる。

ダイドーと同様に、東洋証券の業績は厳しい。2022年3月期以降、2期連続の営業赤字を計上。2024年3月期は黒字復帰したものの、日経平均株価が34年ぶりに史上最高値を更新するなど市況がよかったことが一番の要因で、その利益水準は競合他社に比べて見劣りする。

2023年の株主総会では、桑原理哲社長(当時)の選任賛成率が51.2%と、あわや否決という事態に追い込まれた。

総会当日の朝に事態が急転

UGSらの意図ははっきりしない。「経営権を乗っ取るつもりでは」という見方もあるが、株主提案以外に明確な意思を表示しておらず、対応に当たる東洋証券自身もその意図をつかめずにいた。

6月26日の総会当日の朝、事態は動く。東洋証券が桑原理哲社長の取締役選任案を取り下げたのだ。事前の投票で、桑原氏の賛成率が5割に届かないことが確実になったためだ。

総会の結果、桑原氏のほかに櫻井歩常務の選任案も否決され、残る会社提案の6人も50%をぎりぎり超える賛成率だった。一方で、株主提案の5人の取締役候補はいずれも選任されず、株主から取締役を送ることはできなかった。

総会の会場にUGSは現れず、株主提案についての説明もなかった。ある個人株主はUGSに対し「どういう意図なのかわからない。会社を乗っ取りたいなら正々堂々とTOB(株式公開買い付け)をすればいい」と不満の声を漏らした。一方で、会社側に対しても「証券の対面営業はこれからも厳しい。どう成長していくのかを語れないから、こういう事態になる」と苦言を呈した。

株主提案の取締役が入らなかったことで、東洋証券としてはひとまずの猶予ができた形だ。ただ、UGSら“物言う株主”が多くの株式を保有している現状に変わりはない。同様の指摘はダイドーにも可能だ。さらに、ダイドーの株主にはSCのほかに、「旧村上ファンド」として知られる南青山不動産も含まれる(7月4日に提出された大量保有報告書で、南青山不動産は共同保有者と合わせて5.14%の株式を保有していることが判明)。

業績に苦しむ中小型銘柄が、株主からの圧力にさらされる構図は今後も続く可能性が高い。経営陣が安穏としていられない環境はもはや不可逆だ。

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