なぜ東京都知事選では政策が重要視されないのか 日本における「東京の真の役割」とは何なのか

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競馬である。

恒例の夏競馬の季節となり、函館競馬場でも競馬が行われているが、北海道競馬を盛り上げようという自分自身の提案をいろいろ考える中で、函館について、あらためて考えさせられた。

というのも、JRA(日本中央競馬会)の札幌競馬場とNAR(地方競馬全国協会)の門別競馬場、この両方にアクセスしやすいトレーニングセンターを作るという提案を以前したが、それでは函館までは遠すぎるのである。函館も入れた3つの競馬場すべてに近い場所、というのは存在しないのである。

そう、函館と札幌は関東の人間がイメージするよりもはるかに遠い。距離で言えば250キロメートル余り、車で4時間半ほど。東京都と福島県の郡山間とほぼ同じである。

現状、函館はトレーニングセンター(厩舎)代わりの役割も果たしている。レース直前の追い切りが行われ、札幌競馬に出走する際も函館に入厩することが多い。もし以前提案した小幡案が実現し、「JRA‐NAR北海道トレセン」が門別と札幌の間にできたとすると、函館競馬場と函館競馬の役割はどうしたらよいだろうか。

「函館WIN5」を発売する

私は、開催時期を早めて、日本ダービーが開催される5月末をメドとする週から開始し、トータルの開催日数も増やすのがいいと思う。そうすると開催日数が増え、レース数も増える。

どんなレースを増やすかというと、3歳未勝利戦をとことん増やす。問題は、未勝利戦はレースがつまらなく、馬券も売れないということである。そのため、函館独特の馬券を売り出す。

現在、指定された5レースの勝ち馬を当てる「WIN5」は日曜日だけ発売されているが、土曜日の函館の5つの指定レースで「函館WIN5」を実施するのである。5レースのうち、未勝利戦も入ってくるだろう。

そうすると、大波乱もたまに出てくる(未勝利戦は大本命が勝つことが多いが、大波乱の確率がほかのレースよりも高いとされる)から、的中者なしでキャリーオーバーとなるケースが現在よりも増える。

これが日曜日に持ち越されると、日曜日のWIN5はさらに盛り上がる。サッカーくじのtotoにしてもWIN5にしてもキャリーオーバーとなると、通常よりもはるかに売れる。これで馬券の売り上げを伸ばす(未勝利戦自体の少ない売り上げを補う)。

なお、馬は船酔いにとてつもなく弱いから、札幌、あるいは新しいトレセンへのJRAの定期チャーター便を茨城空港などから飛ばし、函館へは美浦から陸路で行くというすみ分けもより充実させるのがよいと思う。函館競馬をなんとか盛り上げたい。

※ 次回の筆者はかんべえ(吉崎達彦)さんで、掲載は7月6日(土)の予定です(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

小幡 績 慶応義塾大学大学院教授

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おばた せき / Seki Obata

株主総会やメディアでも積極的に発言する行動派経済学者。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。1992年東京大学経済学部首席卒業、大蔵省(現・財務省)入省、1999年退職。2001~2003年一橋大学経済研究所専任講師。2003年慶應大学大学院経営管理研究学科(慶應義塾大学ビジネススクール)准教授、2023年教授。2001年ハーバード大学経済学博士(Ph.D.)。著書に『アフターバブル』(東洋経済新報社)、『GPIF 世界最大の機関投資家』(同)、『すべての経済はバブルに通じる』(光文社新書)、『ネット株の心理学』(MYCOM新書)、『株式投資 最強のサバイバル理論』(共著、洋泉社)などがある。

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