環境活動家グレタ氏と支持層が虎視眈眈と待つ機 反対派はいつまで「冷笑」を続けられるのか

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彼女はまず家族に対して行動の変容を迫った。ベジタリアンになること、廃棄物・不要物を再び価値あるものとするアップサイクリングを行うこと、飛行機に搭乗しないことなどを要求した。彼女の言葉に耳を傾け、両親が態度を変容させたことから、彼女は「世界は変えられる」との確信を得たという。

2018年、15歳のとき、グレタさんは自分の通う学校で気候変動のデモとスピーチを開始する。8月、「気候のための学校ストライキ」を掲げ、急進的な気候変動対策を行うことを議会前で要求したことから、その活動はスウェーデン中に知られることとなる。彼女の動きに他の学生たちも同調し、この活動は「未来のための金曜日 (Fridays for Future)」と呼ばれ、大きな動きとなっていった。

そして、彼女の活動はほどなくして世界の知るところとなる。2019年、飛行機を使わずに、太陽光パネルを動力源とするヨットでニューヨークに渡るデモンストレーションを行う。そして、上述の国連気候変動サミット演説が実行されるのである。

このヨット横断と国連演説が決め手となり、彼女の名は世界にとどろくことになる。気候変動問題に対し、急進的な解決をすべきであるという立場をとる人々から、世代・国籍を問わず支持される、若きリーダーとなるのである。

世界の大多数は冷笑している現実

だが。恐らくは、これを読まれている方の中で、グレタさんの主張や方法に賛成している人は、そう多くないのではないか。彼女の抱える問題は決して少なくないし、いずれも深刻なものだ。

結局、グレタさん自身が石油資源に頼って生きているという矛盾、問題を叫ぶだけでソリューションを提示していないこと、気候変動が果たしてどれだけ私たちの未来を崩壊させるのかというエビデンスの不足、ときに暴力的な手段までもを採用することの妥当性、等々。

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