環境活動家グレタ氏と支持層が虎視眈眈と待つ機 反対派はいつまで「冷笑」を続けられるのか

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

そして、マジョリティ側はといえば、最大限の反撃能力をもって、既存の秩序を維持しようとするのである。

「ゲームチェンジャー」という産業社会の勝者

かつて20世紀の時代であれば、産業社会の勝者は、既存のゲームの中での優劣で決まるのが常であった。テレビ産業で成功したければ、誰よりも秀でたテレビを、いかに安く、上手に販売できるかが問われる。エアコンでも、自動車でも、洋服でも、話は同じである。競争とは、相手に秀でることだった。

経営学者×YouTuber×起業家の著者が教える 一生使えるプレゼンの教科書
『経営学者×YouTuber×起業家の著者が教える 一生使えるプレゼンの教科書』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

しかし、現代の産業競争は、既存のルールを所与として行われるものではなくなりつつある。同じゲームの土俵で、トヨタ自動車の牙城を切り崩すのは至難の業だ。であれば、ゲームのルール自体を転じてしまえばいい。かくしてテスラは、その実力以上に支持を集めることになる。

テレビ放送局に対するYouTube、既存の白物家電メーカーに対するダイソン、フィーチャーフォン(ガラケー)に対するiPhoneなど、似た例はいくらでも挙げられる。いずれも、構造は同じだ。既存のゲームの支配者に対し、その秩序を根底から覆しうるようなゲームチェンジが、新興のプレーヤーによって仕掛けられたのである。

ゲームチェンジ。それこそが、現代の産業社会を読み解くカギである。

中川 功一 経営学者、やさしいビジネスラボ代表取締役

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

なかがわ こういち / Koichi Nakagawa

1982年生まれ。2004年東京大学経済学部卒業。08年同大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。大阪大学大学院経済学研究科准教授などを経て独立。現在、株式会社やさしいビジネスラボ代表取締役、オンライン経営スクール「やさしいビジネススクール」学長。専門は経営戦略、イノベーション・マネジメント。「アカデミーの力を社会に」を使命とし、経営スクールを軸に、研修・講演、コンサルティング、書籍や内外のジャーナルへの執筆など、多方面にわたって経営知識の研究・普及に尽力している。YouTubeチャンネル「中川先生のやさしいビジネス研究」では、経営学の基本講義とともに、最新の時事解説のコンテンツを配信。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事