ワークマン「8800円ランドセル」に込められた狙い 高額化で過熱する「ラン活」市場に一石を投じる

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ワークマンのランドセルを開発した林マネージャーは、8800円という価格設定について、「親の立場からすると、子どもの雑な使い方に心を痛めないでいられる」と話す。また、「子どもが求めるランドセルのデザインは入学時と高学年進級時では変わってくる」ことも指摘した。

小学生でも高学年になると自我が芽生え、日常使う商品に対しても自分の意見が出てくる。人によっては、低学年から使い続けるランドセルが子どもっぽく思えたりする。

購入者の意見を聞いて、継続を判断

「今回の商品は買い替え需要も意識しました。かわいらしいデザインでなく、少し大人っぽいデザインにしたのもそのためです。黒のバッグは高学年男子にはささると思います」(松重氏)

また、現在は塾通いや習い事をしている小学生も多い。塾などが指定するバッグで通うケースも多いが、自由に選べる場合はこうしたバッグも選択肢になりそうだ。

それまでの作業服メーカーのイメージを脱し、近年は「ワークマンプラス」や「ワークマン女子」など積極的に業態開発や商品開発を進めてきたワークマンだが、ランドセルの今後に関しては慎重に話す。

「ご購入された方に実際に使っていただき、これからお客さまの声を集めながら商品分野の継続を考えていきます」(同)

小学校入学時に必要となるのは他にもある。学習机を購入する家庭も多く、その価格も安くはない。ランドセルに関しても、消費者がそれぞれの思いでどう判断するかだろう。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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