ワークマン「8800円ランドセル」に込められた狙い 高額化で過熱する「ラン活」市場に一石を投じる

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競合品との比較でいえば、ワークマンのランドセルは低価格だが業界最安値ではない。重量も前述したように特に軽いわけではない。それでもさまざまな開発視点で「高機能と低価格」を訴求したのは興味深い。

ESスチューデントデイパック ワークマン ランドセル
底面の作り。側面には反射材もついている(写真:ワークマン提供)

保護者の思いは、快適性や安全・安心

ランドセルを購入する保護者の観点からだと、実際に使う子どもの快適性や安全・安心から、本革製を選ぶ家庭も多い。基本的には6年間使い続けるので「少し値が張っても良い品を」という意識も働くようだ。

ランドセルは時に身体保護の役割も担う。例えば低学年の児童が、何かの際に後ろ向きに倒れても、背負ったランドセルが護ってくれたりもするのだ。メーカーが搭載する反射材も交通安全に対する配慮だろう。

平均価格が上昇しているのは事実だが、現在は少子化の影響で、子ども用の消費財は「6ポケット(財布が6つある)」とも聞く。父親・母親と双方の祖父・祖母という意味だ。祖父母が孫に贈る場合だけでなく、みんなで資金を出して買う場合もあるだろう。

一方で、ひとり親で子育てをする家庭など、ランドセル価格の上昇に苦慮する世帯もあると聞く。その対応策として「ランドセルの再活用」に乗り出す自治体も出てきた。筆者も各家庭から使わなくなったランドセルを集めて、申し込みのあった家庭に使ってもらう事例(鳥取県の例)を紹介したこともある。

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