やり放題!自動車の「ながら運転」は危険だ

人は画面と道路を同時には見られない

具体的な事例をみてみよう。例えばAudi A3では、運転手は電話と自動車を同期させ、ダッシュボード上でツイッターの自分に関するメンションやつぶやきを読むことができる。ただし、全体のタイムラインを見ることはできない。

また、スマートフォンで撮影した写真をアップロードできる。撮影場所までの地図をリクエストすることも可能だ。ダッシュボードにはテキストメッセージが表示され、それを読み上げる機能も付いている。

Audiの広報担当者マーク・ダンケ氏は「ダッシュボードで使える機能を提供しなければ、運転手は結局スマートフォンを使用してしまいます。そのほうが運転手の気を逸らせてしまうため、はるかに危険であることは周知の通りです」と話す。

これまでは、ダッシュボード関連の技術が自動車を選ぶ際にそれほど影響することはなかったが、今後3~5年のうちにますます重要になって行くだろうと自動車メーカーは予測している。

市場リサーチ会社J.D. Powerによる最近の研究では、約15%の消費者が、最新のテクノロジーが搭載されていない自動車は購入の際に検討の対象にしないと答えていることが分かった。1年前には、この割合がわずか4%だった。

ダッシュボードには規制がほとんどない

現在、ダッシュボード・ディスプレイに関しては規制がほとんど存在していない。多くの州では、車のバックを支援するバックカメラやその他の安全ビデオシステムなど、ナビゲーション関連以外のビデオ映像を走行中にドライバーが見ることは禁止されているが、禁じられているのはその程度。連邦基準としては、ディスプレイの明るさを調節可能なものとしなければならない、などの少数の規制しかない。

米国道路交通安全局は、走行中の運転手がダッシュボード・ディスプレイにどこまで注意を払っても良いかに関するガイドラインを公表している

まず、運転と関係のない写真や動画を表示させるべきではないとし、何らかの作業を完了させるまでにボタンやキーをタップするのは6回までとしている。しかし、ガイドラインは今のところ自発的なもので、自動車メーカーに従う義務はない。

自動車業界も独自のガイドラインを作成しているが、多くの場合、業界基準は政府の基準よりも緩やかなものだ。例えば、業界のガイドラインでは、運転手が何かの作業を完了させるまでに、ディスプレイに目を置く時間が1回につき2秒未満、それを連続して合計20秒までとしているが、政府のガイドラインでは、1回につき1.5~2秒のチラ見で合計12秒を越えるべきではないとしている。

一部の専門家は、政府の基準ですら緩すぎると指摘する。

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