やり放題!自動車の「ながら運転」は危険だ 人は画面と道路を同時には見られない
サンフランシスコ (ロイター 7月7日)-スマートフォンのように操作できるダッシュボードのディスプレイについて、分かっていることは2つある。「消費者がそれを望んでいる」、そして「自動車メーカーも提供する気はある」ということだ。
しかし、本当にすばらしいアイディアといえるのだろうか。
自動車メーカーの答えは、もちろん「イエス」だ。スマートフォンをそのまま大きくして自動車のダッシュボードに表示させれば、売り上げを伸ばせる、客も集まってくると主張する。また、運転の安全性も高まるという。音声操作を十分に統合させ、タッチ画面も大きくなれば、運転手は運転中にスマートフォンを操作する必要がなくなるためだ。
ディスプレイと道路を同時に見ることはできない
ダッシュボードのディスプレイはますます複雑化していく。その一方で、自動車にいったいどれだけのテクノロジーが必要なのかという議論もある。
カリフォルニア州で、運転中の携帯電話使用規制法案を可決に導いたジョー・シミティアン元州議会議員は、「(新しい画面が) 深刻な公共安全問題へ繋がらないかと心配です」と語る。「立法という視点から、議会ではこの先何年もこの問題について話し合うことになるでしょう」。
「画面を見ながら同時に道路も見るのは不可能です」とユタ大学の認知神経科学教授デビッド・ストレイヤー氏はいう。同氏は、走行中の運転手がどのようなことに注意を奪われるかについて論文をいくつか書いている。「新しい画面が導入されると、道路を見ているべき運転手は画面上の動きへ目をやり、ほとんどの専門家が安全であるとみなす時間よりも長い時間を、画面を見ることに費やしてしまいます」。
一部の画面にはテキストメッセージを受け取る機能も備わっているが、ストレイヤー氏の研究によれば、平均的なテキストメッセージを読む時間は4秒、同氏が安全と考える時間よりもはるかに長い。
しかし、自動車メーカーと消費者にとって、機能満載の新画面はかなり魅力的なもののようだ。