「マイナンバー特需」に笑う業者、泣く自治体

税金の上に税金がつぎ込まれるのか

マイナンバー導入を控えた、ITシステム改造で業者から自治体に示された見積もりは……(写真:Graphs/PIXTA)

マイナンバーのシステム改造費に頭を悩ます自治体

日本に住むすべての人に割り振られる社会保障・税番号(マイナンバー)制度が、2016年1月からスタートする。税や社会保障に関する個人情報を国・自治体が1人1個の番号でひも付けし、公正・公平できめ細かな社会保障などの行政サービスを実現することが狙いだ。外国籍の住民を含め、住民票を持つ人に今年10月から12ケタの個人番号が通知され、来年1月には番号カードが交付される。

これに対応する情報システムの改造に、頭を悩ます自治体が出始めた。人口規模に応じて、国がシステム改造費を補助することになっている。ところが、企業が必要とする情報技術に関連した機器やソフトウェア、システム、サービスなどを販売する「ITベンダー」が自治体に提出した見積もり額がその数倍に上り、負担の大きさに自治体が困惑しているケースが多発しているようだ。

運用開始まで「待ったなし」の今になってのドロナワの原因は、改造費を低く見積った総務省か、結局は税金で賄われるであろう「マイナンバー特需」にあやかって、儲けをせしめようとするITベンダーにあるのか。

マイナンバーは当面、社会保障と税、災害対策に適用されるが、近い将来には民間利用も視野に、医療や金融サービスにも広がるとみられている。

給与支払者である事業者や団体はもちろんだが、住民と地域の情報を所管する自治体は、文字どおり「待ったなし」だ。マイナンバーのベースとなる住民基本台帳システムをはじめ、税・健康保険・介護保険関連システム、住基ネットなどさまざまなシステムを改造し、新たに連携サーバーを導入しなければならない。

次ページまるでクリンチ戦法?
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 非学歴エリートの熱血キャリア相談
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 不安な時代、不機嫌な人々
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
トレンドライブラリーAD
人気の動画
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
攻撃的な人の態度を軟化させる絶妙なワザ
攻撃的な人の態度を軟化させる絶妙なワザ
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
人材戦略から儲けのからくり<br>まで コンサル全解明

人材の争奪戦が過熱し、年収水準もうなぎ登りに。デジタル化を背景にコンサルティング業界は空前の活況を呈しています。本特集ではコンサル業界の動向やビジネスモデルを徹底解説。コンサル会社を賢く選び、上手に活用していくノウハウを紹介します。

東洋経済education×ICT