エナドリを「1日1リットル」飲んだ私に起きた異変 「心臓を針で一突きすれば、身体全体が破裂する…」

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しかし、牛乳やオレンジジュースは受け付けなかった。ストロング系に慣れた舌には味が違いすぎて、胃がびっくりして吐いてしまったのだ。

そんな筆者に優しく微笑んだのが、エナドリだった。

500ml缶にストローを突き刺し、一気に吸い上げて1分以内に飲み干せば、不思議と徐々に吐き気や頭痛も消えた。アルコールは入っていないのに、「シラフ」に戻れる感覚があったのだ。

「ネット上ではエナドリのことを”魔剤”っていうけど、まさに魔剤だなあ……」

アルコールで荒れた胃に、エナドリは優しく染み渡っていった。

エナドリの写真
当時愛飲していた「ZONe」。コスパがよく、レッドブルが250mlのロング缶で300円近くするのに対し、ZONeは200円で500mlも飲めた(筆者撮影)

糖質依存だったのか、ケミカル依存だったのかはわからない。ただ、ストロング系への耽溺(たんでき)ですっかり極端になってしまった味覚には、エナドリは実に相性がよかったのだ。

その後、テレワークではなく、出社という形式に戻った筆者は、家の近くのコンビニでエナドリを購入して、電車内でストローで一気に吸い上げるのがルーティーンになった。

以前はサンドウィッチも毎日のルーティーンに入っていたが、エナドリとサンドウィッチはまったく合わないので、食事をやめて「朝食=エナドリ」と”一本化”した。

雑誌の企画で飲み比べ、時間なく一気飲みしたら…

ストロング系、エナドリ、おまけにタバコ……当時の筆者はどれかひとつでも欠けてしまうと、頭痛や吐き気、めまいに苦しむようになった。いつの間にか、さまざまなものに依存するようになってしまっていたのだ。

檸檬堂
以前のストロング系の記事では書いていなかった(隠していた)が、ストロング系だけではなく、エナドリも痛飲していた(筆者撮影)

ここまで読んで、「なんてバカな奴だろう……」と呆れた人もいるだろう。自分でもそう思うが、その一方で「プレッシャーや嫌味に弱い」気質は、筆者自身が選んだものではない、とも思う。

そんな中、とある雑誌で「エナドリ飲み比べ」という企画を担当することになった。

先ほどから筆者は「エナドリ味」と雑に評しているが、もう少し成分を分析しながら、読者にわかりやすく味の違いを紹介するというものだ。

そこで、レッドブルやモンスターエナジーだけではなく。当時存在していたサントリーの「アイアンボス」、大正製薬の「RAIZIN」、ZONeのヨーグルトフレーバー、そしてアムウェイの「XS」を飲み比べることにした。

次ページ一気飲みで「命の危険」を感じるも…
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