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航空管制官が日本の空港でも英語を使う理由 ミスが許されない環境のコミュニケーション

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ある日本人パイロットから聞いた話ですが、彼が中国の空港に行ったとき、別の飛行機のパイロットが管制官と何を話しているのかが理解できず、大きな不安を覚えたそうです。

管制官がパイロットに指示しているのか、地上車両の運転手に情報を出しているのかさえもわからなかったといいます。

管制官が何かの指示を出していることは理解できるのですが、その内容が不明なので、別の飛行機がこちらに機首を向けて動き出したりはしないかと疑念が抜けなかったそうです。パイロットの状況認識もまた、航空交通の安全には欠かせないものです。たとえ国内線であっても、やはり英語で交信するのが原則だと思います。

「誤解を生まないため」に英語を使う

交信に英語を使うもう1つの理由、それは、「誤解を生まないため」です。管制で使う言葉は英語を基本としていますが、日常英語そのものではありません。より誤解を生まないように定義されています。そのことについては後述しますが、まず、ふだん使い慣れた言葉(私たちにとっては日本語)が、本当にもっとも誤解を生まないコミュニケーション手段なのかどうかを考えてみましょう。

たとえば、「○○はないですよね?」という質問に「はい」と答える場合、日本語では「はい、あります」「はい、ありません」と後ろに続く言葉しだいで2つの可能性があります。「はい」だけでは意味を持たない(判断できない)こともあるでしょう。

また、日本語は表意文字で漢字を使うため、読むときにはわかりやすいのですが、耳で聞くときには同音異義語が多いのも気になります。たとえば、「こうか」は「降下」なのか「効果」なのか。「たいき」は「待機」なのか「大気」なのか。文脈を読めば間違えることはまずなさそうですが、それでも曖昧さは残ります。

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