日産、「旧ケイレツ」を救済せざるをえない事情 経営危機の河西工業に60億円出資の舞台裏

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河西工業は日産から調達する60億円を生産拠点の最適化に使う。北米や欧州の合理化を一段と進めることで、2024~2027年度の4年間累計で49.5億円の収益改善効果を見込む。直近の決算では営業黒字に転換するなど最悪期は脱しつつあり、回復軌道を確かなものにする狙いだ。

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日産が取得予定の優先株は2028年4月以降、河西工業が日産へ取得請求することが可能になる。早期に再建が進めば、4年後に日産が株主から外れる可能性も出てくる。

河西工業の半谷勝二社長(9月に相談役就任予定)は「いつまでも日産に甘えきっていてはいけない。早期に再建し、自立できるような体力をつけなければならない」と社員に語っている。

とはいえ、一段の拠点再編には特別損失の計上など痛みを伴う。河西工業はメキシコ子会社の為替換算の計算方法の誤りを理由に、2024年3月期決算もまだ発表できていない。

日産からの異例の支援をもとに自主再建をはたせるか。老舗サプライヤーの正念場は続く。

秦 卓弥 東洋経済 記者

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はた たくや / Takuya Hata

流通、石油、総合商社などの産業担当記者を経て、2016年から『週刊東洋経済』編集部。「ザ・商社 次の一手」、「中国VS.日本 50番勝負」などの大型特集を手掛ける。19年から『会社四季報 プロ500』副編集長。21年から再び『週刊東洋経済』編集部。24年から8年振りの記者職に復帰、現在は自動車・重工業界を担当。アジア、マーケット、エネルギーに関心。

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