ある日産系サプライヤー幹部は今回の日産の支援を「異例の救済劇」と評した。というのも、日産は特定の取引先を支援することに慎重な姿勢を示し続けていたためだ。2022年には、日産系の自動車部品大手マレリホールディングス(旧カルソニックカンセイ)が経営破綻したが、日産は直接の支援を行わなかった。
ただ、マレリと河西工業では企業規模が異なる。当時の負債総額が1兆円を超えていたマレリに対して、2023年12月末時点の河西工業の負債総額は1230億円。今回の増資引き受け額も60億円と大きくはない。
「万が一、法的整理になると日産自身が困るという判断も働いたのではないか」(同幹部)。日産向けの内装ドア部材のシェアのうち、河西工業は8~9割を占めるとみられ、日産にとって河西工業の経営破綻はサプライチェーン上の重大なリスクに直結するからだ。
従来のサプライヤー政策は限界
日産のサプライヤー政策が限界を迎えつつあることが河西工業への支援につながった可能性もある。
3月に日産が発表した新中期経営計画「The Arc」では100万台の増販をぶち上げた。だが、近年の台数減でサプライヤーは疲弊しており、日産の計画に対して懐疑的な声も上がる。
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