ホンダ、進化版の「ヴェゼル」が持つ2つの魅力 より静かに、価格アップも抑えた優等生SUVに

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こうした聞こえるエンジン音の変化について、ホンダの開発者は「ダッシュボードやルーフ、フロアの各遮音材と防音材を厚くし、配置も最適化した効果」だと説明する。市街地走行時の静粛性という意味で、新型は格段に向上していることを実感できた。

ダイレクト感が増したスポーツモード

e:HEV Xハントパッケージのエンジンルーム
e:HEV Xハントパッケージのエンジンルーム(写真:三木宏章)

次はワインディング。新型のハイブリッド車FFは、例えば、左右のコーナーが連続する道などでも、より軽快になり、安定感も増した印象だ。電動パワーステアリングのソフトウェアを変更したことや、サスペンションのダンパー減衰力をより緻密に見直すといったアップデートの効果が出ているようだ(ハイブリッド車FFのみの変更)。しかもステアリングは、全グレードに本革巻きタイプを採用しており、ホールド感も満点。タイトなコーナーの連続などで、ハンドルを右に左に切り返す際も、手がすべることなく、確実な操作を体感できた。

また、ドライブモードスイッチを切り替えて「スポーツモード」にした際の加速感が、より爽快になった。ヴェゼルのe:HEVには、ほかにも、すべてのシーンでリニアな走りとなる「ノーマルモード」、エコドライブをアシストする「ECON(イーコン)モード」を備える。中でもワインディングでダイレクトな走りを楽しめるのがスポーツモードだ。新型では、このモード設定時、アクセル操作に対する加速応答性を向上。アクセルを踏み込んだときのパワーの出方が、よりリニアになったのだ。そのため、自分の意志に対し、クルマが思うように加速し、よりストレスのない走りを味わえた。

e:HEV Xハントパッケージのインテリア
e:HEV Xハントパッケージのインテリア(写真:三木宏章)

なお、こうしたシーンで、ヴェゼルe:HEVは、主にエンジンで発電し、モーターで走行するハイブリッドモードで走るが、市街地と比べるとエンジンの回転数は比較的高い。だが、先述したとおり、エンジン音は聞こえるものの、あまりうるさい感じはない。やはり、どこか余裕を感じられる印象なのだ。ハイブリッド車では、最高出力がエンジン106PS、モーター131PS。最大トルクはエンジン13.0kgf-m、モーター25.8kgf-m。これらスペックは、先代と同様だ。つまり、排気量はもちろん、出力も変わっていないが、ワインディングなどの高回転域でも、より静粛性を向上した効果が表れているといえる。

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