ホンダ、進化版の「ヴェゼル」が持つ2つの魅力 より静かに、価格アップも抑えた優等生SUVに

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発進時や市街地などでの低速走行時は、主にモーターのみで走る「EVモード」を使用。また、速度がある程度上がったり、登り坂などで加速したりするようなシーンでは、エンジンが充電のために始動し、走行用モーターで駆動する「ハイブリッドモード」に切り替わる。さらに高速道路の巡航時など、エンジンが得意とするシーンでは、エンジンのみの動力で走る「エンジンモード」に切り替わる仕組みだ。

ハイブリッドシステムの作動状況を表すメーター
ハイブリッドシステムの作動状況を表すメーター(写真:三木宏章)

先代モデルとの違いは、市街地の道路でいきなり実感できた。平坦な道で、バッテリーの充電状況が良ければ、50km/h程度までEVモードのままで走ることができるようになったのだ。先代モデルでは、どんなにアクセルをゆるやかに踏んでも、40km/h以上になると、エンジンが始動してハイブリッドモードに切り替わっていた。もちろん、新型でも登り坂などでは、40km/h程度でもハイブリッドモードになるが、一般的な市街地におけるEVモードの走行領域は拡大されているといえる。

ホンダの開発者によれば、「ハイブリッドバッテリーの満充電領域を8%アップ」したことなどが主な要因のようだ。これにより、「市街地走行でエンジンの始動と停止の頻度を従来比で約30%低減」しているという。また、こうした改良は、「ユーザーによっては頻繁なエンジン始動を不快に感じる場合もある」ことに対応したという。

ハイブリッドモードでも差は歴然

ワインディングロードでの試乗シーン
試乗シーン(写真:三木宏章)

さらに気づいたのは、ハイブリッドモードになってエンジンが始動しても、エンジン音がかなり静かになったと感じられたこと。先代では、エンジン始動時の音が大きめで、ある意味で、モード切り替わりのタイミングがわかりやすかった。一方、新型では、市街地であれば、いつエンジンが始動や停止したのかがわからないほど静か。もちろん、例えば、登り坂など、エンジンの回転数が上がるシーンでは、始動したことがわかる程度にエンジン音は聞こえる。だが、先代のエンジン音は、ブーンとちょっと大きめのエンジン音が聞こえ、なにか「無理して頑張っているのでは?」と思えるシーンもあった。それに対し、新型のエンジン音には、ちょっと「余裕がある感じ」さえする。

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