SusHi Techのホームページには、「次世代の街づくりについて、ビジネスパーソンにも興味を持ってもらう内容」としていたが、現場にはそうした実機の展示がほとんどなかったのだ。建屋の中に各社のブースがあるが、説明員がいないブースも目立つほど。
外のオープンスペースには、レンタル方式の2輪車体験などもあるが、体験者数は極めて少ない印象だった。
仮に、次回SusHi Tech開催を企画するならば、主催者は今回の海の森エリアでの内容を反省し、抜本的な変更を考えるべきだろう。
最後に、有明アリーナに入った。ここにはモビリティやライフスタイルなど、多様な体験ができる展示があり、SusHi Tech会場の中でもっとも充実した内容に感じた。
だた、昨年の「ジャパンモビリティショー2023(於・東京ビッグサイト)」で実施された、次世代の東京を体感する「Tokyo Future Tour」と比べると、予算感や規模感にかなりの差を感じてしまったのも事実だ。
真の「Techへの期待」を
こうして終日、SusHi Techの各種展示の現場をめぐってみたわけだが、「東京の未来は見えたか?」と聞かれても、素直に「YES」と言えない印象であった。
“都市の未来”というと、一般的には高度な技術がいまよりも拡充するイメージを持つかもしれない。特に目に見える形としては、空飛ぶクルマ、自動運転、自動配送ロボットが活躍する風景などであろう。または、“緑地化が進む”といった、環境意識への高まりかもしれない。
だが、そうしたいわゆる「アトムの世界」や「エヴァンゲリオンの世界」といった空想イメージが、未来の東京のイメージに合致するようには思えない。
未来のTech(テクノロジー)というと、目新しいハードウェアを思い浮かべる人が少なくないかもしれないが、それよりも、人の心の中の変化を呼び起こすような領域での新しいTechへの期待が高まるのではないか。
また、その中核では、街や社会におけるさまざまなデータの総括的な管理の重要性が増すのではないか。
SusHi Techというリアルな現場を体験したからこそ、日常生活では見えにくい「社会の中身」に対する意識が高まったように感じた。
そのうえで、次回SusHi Tech開催の必要性について、東京都には熟考を求めたい。
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