キリン、ファンケル買収に透ける「期待と不安」 経営トップ、ファンケル関係者も不在の異例
しかし、キリンHDとのさらなるシナジーについては不明なままだ。
キリンHDはファンケルの化粧品について「(海外展開について)可能性があれば探っていきたいが、TOBが成立してから進めていきたい」(キリンHDの吉村氏)と、具体的な戦略は語らなかった。
そもそも、14日の会見にキリンHDの南方健志社長COOや磯崎会長CEOの姿はなく、出席者はキリンHDの吉村透留・ヘルスサイエンス事業本部長と山﨑大護・経営企画部主幹の2名のみ。ファンケル側はトップはおろか、広報担当者すら現場に居合わせない異例の会見だった。
ファンケルのよさを残せるのか
キリンHDの磯崎会長CEO(当時社長)は2022年、東洋経済のインタビューに対し、「100%子会社としたとき、ファンケルのよさを残せるのかはわからない。ファンケルは機動力があり意思決定が速い企業。一方のキリンは、国に酒税を納めていることもあって非常に慎重な企業で、カルチャーに違いがある」と語っていた。
買収を発表した翌営業日の17日、キリンHDの株価は14日終値から2.87%安の2068円と下落した。マーケットは買収に懐疑的な見方をしているようだ。
キリンHDは買収を経てファンケルとのシナジーをさらに強化し、具体的な成長戦略を示していくことが求められる。
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