サムティにTOB、投資ファンドが1000億円規模 成立後に非公開化、売却益から安定収益に軸足

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サムティHDのホームページ
シンガポール系の投資ファンドが、中堅不動産会社のサムティHDを買収する(画像:サムティHDのホームページ)

東証プライム上場の不動産会社「サムティホールディングス(HD)」を、シンガポール系の投資ファンド「ヒルハウス」がTOB(株式公開買い付け)によって買収する方針を固めたことが東洋経済の取材でわかった。買収額は約1000億円で、サムティHDはTOB成立後に上場廃止となる。

関係者によれば、ヒルハウスは月内にもTOBを開始し、サムティHDの株式を取得する。買い付け価格は1株当たり約3300円となる見込みで、直近株価に15%程度のプレミアムが乗る計算だ。大株主である大和証券グループ本社および大和PIパートナーズはTOBに応募せず、非公開化後もサムティHDの株主として残る。

成長に向け非公開化を決断

サムティHDの中核会社であるサムティは1982年に設立された。賃貸マンションやオフィス、ホテルなどの開発や運営管理を行い、既存物件の再生も手がける。2015年には住宅に特化したREIT(不動産投資信託)も上場させた。2023年11月期決算では連結売上高1986億円、純利益103億円を計上している。

サムティの主な収益源は、もともと物件売却によるキャピタルゲインだった。だがコロナ禍を経て、開発物件の賃料や管理手数料、ファンドの運用報酬を重視する方針を掲げていた。

事業拡大のための資金需要がかさむ中、資金力や投資実績が豊富なヒルハウスと協業し、非公開化での成長を進める考えだ。

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