「見合いで通帳持参」難しいシニア婚活の的外れ感 亡くなった前妻の話ばかり「さみしい」連発も

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そして、熟年離婚は妻側からの申し出が多いといわれている。

なぜかといえば、夫の定年を見据えて退職金や年金分割を視野に入れ、自分の取り分を計算し、取れる時期を見計らって言い出すからだ。妻側にとっては、何年もの年月をかけた計画離婚なのだ。

そして、離婚して1人になってみると男女ともに、“独身はやっぱり寂しい”と思い、再婚を考えるようになる。

また、先行き不安な時代なのに、平均寿命は延びる一方だ。そうなると50代以上の初婚者も、「1人で歳を取っていくぐらいなら、パートナーがいたほうがいい」と考えるようになる。

こうして、シニア婚活が盛んになっていく。

だが、相談所を経営する筆者の肌感覚でいうと、若い世代に比べて、スムーズに成婚できない人たちもまた多い。それは、これまでの経験が考え方から柔軟性を奪い、人を頑固にしていくからだ。さらに、できあがっているライフスタイルを相手に押し付けようとするので、なかなかうまくいかない。

お見合いの席でいきなり相続の話

先日、お見合いを終えたとしえ(55歳、仮名)が、連絡を入れてきた。

「とても不愉快なお見合いでした」

お見合いした相手はやと(64歳、仮名)は、年収が1500万円あるエリートだった。

「飲み物を注文終えた次の言葉が、『私は、未入籍婚を希望しています。娘がいるので、再婚相手にもし子どもがいると、財産相続の問題が出てくるから』と言うんですよ。あまりにも唐突だったので、“はっ?”と思わず言ってしまいました」

としえには、20代後半の息子がいた。

「息子は自立して働いていますし、親の持ち物を当てにするような子には育てなかった。それに、離婚した元夫はかなりの資産家で、息子はそちらを受け継ぎます。私の再婚相手の財産なんて当てにしていませんよ」

さらに、続けた。

「初対面で顔を合わせるなり相続の話だったので、ドン引きしてしまいました。こういう話題は、お付き合いが始まって、結婚話が出てくるようになってからすることじゃないですか」

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