戸田がまた暴れた--医療施設建設でナンバーワンの受注実績、大手ゼネコンが舌を巻く理由


 ただ、「東洋経済オンライン」では、会社が期初に発表した12年3月期の業績見通しである営業利益89億円(同48%増)は、土木工事の粗利益率改善の幅がなお過大で、成長を見込んだ不動産賃貸業の貢献も見込みを下回るため、82億円(同36%増)にとどまると見る。
 
 来期以降の業績向上を占う今期の単体受注予想は、医療・福祉関連が「前期は埼玉県立がんセンターのような大型案件があった。今期は、そこまで達しない」(岡敏朗専務執行役員)。それでも被災地の工場など元施工の物件に対する復旧工事が上乗せ要因となるため期初計画の4590億円(前期比1.5%増)を達成する気配は濃厚だ。 

92歳で取締役を務めるオーナーの威光

では、 大手5社と比べて、連結人員で3分の1の5000人体制であるのに、大手と伍して厳しい受注競争を勝ち抜いている原動力は何なのか。今年12月で93歳の取締役名誉会長、戸田順之助氏という中興の祖の存在が挙がる。
 
 創業者から3代目に当たる順之助氏が、20年間務めた代表取締役会長を退いたのが4年前。それでも取締役は退任しなかった。1945年に常務取締役に就任以来、66年間経営の第一線に携わっているのだ。順之助氏は、2位株主(9.6%保有)でもあり、他の同族を含めた役員陣の家父長的存在として君臨する。
 
 順之助氏の薫陶を受けた幹部は、優良なリピート客を増やすという営業路線を受け継いで、総合病院や大学本部の幹部への長年のトップセールスを怠らなかった。そうした中で、2代続けて非同族の社長が就任し、この8年間で、一般社員に至るまで、統率のよく取れた他のゼネコンと一線を画する社風が培われた。

たとえば、こんなエピソードがある。就任4年の井上舜三社長は、ある東北の地方病院応札で、プレゼンテーション役を自ら買って出て、最後まで熱弁を振るった。他の大手ゼネコン幹部は冒頭のあいさつ程度で、専門部署の幹部に説明を譲ったのに、細かな仕様まで全部自分で仕切ったのだ。

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