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キャリア・教育 #「怠惰」なんて存在しない

「怠けられる」人が勤勉な人より成功する納得理由 「怠惰」のおかげで誕生したミュージカルもある

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「このシートを使って自分に『どんな感じ? 本当は何がしたい? 楽しくやれてる?』って聞いてみるわけ。もし楽しめていないなら、その目標に向けて頑張る意味がないのかも」

世の中は「怠惰のウソ」が規範になっているため、決めた目標を達成できずに見切りをつけるのをつらく感じるかもしれない。

それでも、自分自身の行動や感情をしっかり観察し、自分を責めずにそこから学ぶようにすれば、より自分らしい生活を送り、人生を満喫できるはずだ。

怠惰のおかげでミュージカルが誕生

ミュージカル『ハミルトン』の脚本・作詞作曲・主演で大スターになったリン=マニュエル・ミランダは、妻との休暇中に歴史書を読んでいて、作品のコンセプトを思いついたということはよく知られている。

新しいミュージカルのアイデアが湧くのを期待して休暇を取ったわけではない。自作のミュージカル『イン・ザ・ハイツ』を7年のロングランで上演してきた彼は、ただリラックスしたかっただけだ。

ところが、すっかり充電できた途端に、その後の人生を変えるクリエイティブな大転換が起こった。

『ハミルトン』が前例のないほどの大成功を収めたのを受けて、ミランダはまた、休暇を取ると決めた。舞台のファンはミランダ降板のニュースに驚愕したけれど、ミランダ自身はインタビューで、何もせず怠惰になることが大切なのだと強調している。

『「怠惰」なんて存在しない 終わりなき生産性競争から抜け出すための幸福論』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

「これまでの人生で最高の、おそらく生涯ベストのアイデアが湧いたのは休暇中だった。これは偶然じゃない」と、2018年のインタビューでミランダは語っている。

「僕の脳がちょっと休んだ瞬間、『ハミルトン』のアイデアがやってきたんだ」

何もせず怠惰に過ごすことで、私たちは優れたクリエイターや問題解決の達人になれる可能性さえあるのだ。

それどころか、怠惰にはさらに重要な効能がある。

日常生活にあえてゆっくりとリラックスする時間を作って、「何もしない」ことによって、心の傷の回復が始まる。そして、心身の疲弊が癒やされ、滋味深い豊かな人生を生きられるようになるのだ。

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