「ダメだったときのことは何も考えていなかったので、もし落ちていたら、おそらく次の年も頑張ろうと思っていたはずです」と語った菊池さんは、長い引きこもり生活を終え、4浪の年齢で東洋大学に入学しました。
「6年間引きこもっていたので、気分としては6浪でした」と語る菊池さん。
浪人してよかったことを聞くと「インプットがたくさんできた」、頑張れた理由については、「憧れの人とネットのおかげでつながれて、直接言葉を聞けたから」と答えてくださいました。
「浪人の期間はめちゃくちゃよかったですね。受験勉強を含めて、24時間自分のインプットに充てられたことと、水野さんに言われたことを守って、外の世界でアウトプットをしたおかげで、いまの自分の仕事につながっています」
一方で、21~22歳まで受験勉強を開始しなかった理由を、「危機感がなかったから」と語ってくださいました。
「自堕落な性格だったので、まぁ大丈夫だろうと思っていたんです。ネットの影響も大きいですね。引きこもり・浪人の期間にはちょうど『30代で無職なんだけど楽しく過ごしてます!』というような、人生の浪費を楽しんでいるブロガーがめちゃくちゃ多かったんです。
映画ばかり見ている35歳無職の人の映画紹介のブログが多くの人に見られている様子を目の当たりにして、自分も大丈夫だと思えましたね。世間的な身分がなくてもネットで救われている人がたくさんいることがわかったことで、自分自身も救われました」
「世界一即戦力な男」がネットでバズる
引きこもってネットを見続けた日々は、菊池さん自身の人生をさらに大きく変えることになります。
25歳で就職氷河期の中、就職活動をすることに不安を覚えた菊池さんは、得意のネットを使って就職しようと考えます。そこで実名・顔出しで「世界一即戦力な男」というウェブサイトを作り、「雇いたい会社募集!」と掲げました。
![濱井正吾 浪人 菊地良 世界一即戦力な男](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/7/1/570/img_718ba1a7a8f9b0c2c0682563b0c3a8b766980.jpg)
それがバズったことがきっかけで就職先が決まり、この自身の経験を書いた書籍出版とドラマ化も決まるという、まるでジェットコースターのような日々を過ごすことになります。
現在は専業作家として活躍している菊池さん。2017年には、菊池さんがTwitter(現・X)で文豪たちの文体模写でカップ焼きそばの作り方を投稿し、バズったことがきっかけで出版した『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』がシリーズ累計17万部の大ヒットを記録しました。
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