彼は今こうした人生を送れているのも、浪人生活に加えて、大学で得た経験が大きいと語ります。
「大学ではいい出会いもありましたし、いい授業も受けることができましたね。大学に入って最初にできた友達が村上春樹の本を貸してくれたことと、川端康成を1年かけて読む文学部の授業のおかげで、今まで興味がなかった分野の本も読むようになりました。
それが『文豪カップ焼きそば』につながっているので、年48万円の学費を払って作家になれたことを考えると、ものすごいリターンをいただけたと思います。東洋大学でいろんな人と出会ったり、授業を受けたりしたことが、今の仕事につながっていますが、いちばんよかったことは大学生になれたことですね。(人に言える)身分を手に入れて、少しはまともな人間に近づけたのでよかったです」
浪人しても人生は終わらない
「学校に行かないとか、浪人とかしてしまっても、それだけで人生は終わらないので、気にしたり、負い目に感じたりすることはないと思います」と自身の経験から語ってくださった菊池さん。
「どうにかなる」と楽観的に、人生の締め切りを延長し続けてきた彼だからこそ、今「締め切りを守る」仕事に就いても楽しむことができているのだと思いました。
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