外の世界に出始めて、4浪の年齢になった菊池さん。この年の夏ごろからは予備校に通わずに、自宅で参考書を使いながら受験勉強をしていました。
実は菊池さんが受けた第3回後輩オーディションの後にあった食事会で、水野さんに言われたことが心の中に残っていたことが大きかったそうです。
「『後輩オーディション』はクリエイターなど、何かをやりたい、作りたいけど、その方法がわからないという人が集まる場所でした。僕も漫画家やライターになりたいと思っていた人間でした。僕は水野さんから『負のオーラ全開のやばいやつ』だと思われて距離を置かれていたのですが、一度だけアドバイスを言っていただいたことがあって。
それは『お前は大学に行ったほうがいい』だったんです。
僕は普通じゃないので、『クリエイターになりたいなら大学に行って普通を知ったほうがいい』とのことでした。それで大学に行こうと決めて、私立大学の中でいちばん学費が安い大学を調べました。東洋大学の夜間なら48万円で通えたので、奨学金とバイトのお金で通えると思い、受験勉強を始めました」
「普通を知るために」受験を決意した
この4浪の年での浪人の決断は、「敷かれたレールに戻る」という意識が働いたそうです。
「高校を辞めたときも、大検があるから社会のレールにいつかは戻ってこれるだろうという算段でした。それがいよいよ『普通』を知るためにちゃんとやっていこうという意識に変わりました」
夏から1日5~6時間ほどの時間を使って、国語と英語を勉強していた菊池さん。ネットでやるべき参考書を調べて、試行錯誤しながら勉強を続けていたそうです。
「夏ごろに受けた模試の偏差値は国語が70で、英語は55くらいでした。英語に関しては、単語帳は『単語王』、読解は『ポレポレ』を使っていました。かんべやすひろ先生の『超・英文解釈マニュアル』はとてもわかりやすくて、これのおかげで長文がだいぶ読めるようになりましたね。
国語はもともと小学生のときから得意でしたが、出口汪先生の現代文の参考書や『マドンナ古文単語』『漢文ゴロゴ』で、よりできるようになっていきました。模試はこの1回しか受けていませんが、たぶん受かるだろうという状態に持っていけたので、東洋大学文学部の日本文学文化学科の夜間課程に出願し、無事合格して入学しました」
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