「世界一即戦力な男」が浪人して東洋大目指した訳 6年間引きこもり、夢をかなえるゾウ作者との縁

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それから年に40~50回くらい遅刻したものの、なんとか中学3年生に進級できた菊池さんは、進路を考え始めるようになりました。

「友達に調理科のある八王子実践高校に誘われたんです。高校には行くものだと思っていたので、進学することに対しては、疑問をあまり持ちませんでしたし、普通じゃない変わった経験ができることと、卒業と同時に調理師免許を取得できることから、この学校を受験しました。その友達には『都立高校にも受かったからそっちに行くわ』って言われて驚いたのですが、まぁ別にいいかと思いました」

調理科に興味があったことから八王子実践高校を受験して、合格した菊池さん。しかしこの高校に入ってからの彼は、学校の環境に適応できなかったそうです。その理由について、菊池さんは「チームワークが苦手だったから」だと語ります。

「毎週金曜日に、1日丸々使って調理実習をする日がありました。4~5人のチームに分かれて料理を一品完成させ、食べるという日だったのですが、集団行動も、集団に合わせるのも苦手だった自分にとってはこの1日がつらかったですね。調理科も友達に誘われたからという理由で、自分自身で興味を持てていなかったので、1学期だけ通った後に、夏休み明けに中退を決めました」

ネットでコンテンツをひたすら見る日々

15歳で所属がなくなった菊池さんは、引きこもりになりました。特に何も考えずにただ好きなコンテンツをネットで見る日々を送ります。それでもまだ、菊池さん自身は大学に行きたい気持ちはあったそうです。

「高校を辞める際に親と相談したのですが、そのときの説得に使ったのが『大検(現・高等学校卒業程度認定試験)を取って大学に行く』という条件でした。大検の存在は、中2〜中3のときに学校に行かずに『キッズ・ウォー』を見ていたときに知りました。そこに登場する家族の長男が大検を取ろうとしていたんですね。いま思えば制作陣は僕みたいな不登校の子にメッセージを送っていたのだと思います。

それで中退を認めてもらったのですが、辞めたあとも悲観的にはならず『(大検の)試験まではモラトリアム突入だ、やった!』というように、長い夏休みのような感覚でした。大検はその当時年2回実施されていました。私は次の年の夏に受験すると決めて、試験に備えて勉強したのですが、残念ながら落ちてしまいました」

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