マイクロソフトやエヌビディアのような他のハイテク企業の価値は、積極的なAI計画のために膨れ上がっている。今年初め、マイクロソフトはアップルを追い抜き、世界で最も価値のあるテクノロジー企業となっている。
アップルは新たなAIを紹介する一方で、プライバシーを考慮した上で、この技術をいかに自社製品に統合するかを強調した。
同社は質問に答えたり、画像を作成したり、ソフトウェアコードを書いたりできるこの技術は、機密性の高いタスクを実行すると述べた。会議の時間が変更になった場合、子どもの舞台を見に行く予定がどの程度微妙になるかを判断できるといったことも可能になる。
アップルらしい個人情報への配慮
コンピュータ処理は、個人情報が漏洩する危険性の高いデータセンターではなく、iPhone上で行われるという。より多くの計算能力を必要とする複雑なリクエストに対しては、アップルの半導体でクラウドネットワークを構築し、これにはアップルさえも保存やアクセスができないため、よりプライベートなものになるという。
アップルは、AI機能の一部をサポートするため、ChatGPTを手掛けるOpenAIと契約を結んだ。アップルのシステムが対応できないリクエストはChatGPTに送られる。
これは例えば、「サーモンとレモンとトマトがあるので、それらの食材を使った夕食の計画を手伝ってほしい」というようなリクエストだ。ユーザーはこうしたリクエストをChatGPTにする場合はその選択をする仕様になっており、回答が満足のいくものでなかった場合、その責任はアップルではなく、ChatGPTにあることを明確にする。OpenAIのCEOサム・アルトマンはアップルのイベントに出席した。
すでにマイクロソフトと緊密なパートナーシップを結んでいるOpenAIがアップルと契約したことは、サンフランシスコの歴史の浅い企業がAI技術の開発でテック業界をリードする存在になったことを明確に示す1つの兆候だ。