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若者に教えたい「資産形成より大事な金融の本質」 田内学×白川尚史「異色の受賞小説家」対談前編

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  • 田内 学 お金の向こう研究所代表・社会的金融教育家
  • 白川 尚史 作家、マネックスグループ取締役兼執行役
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田内:生活を豊かにしたいと考えたときに、その方法は2つあると僕は考えています。1つはお金を増やして、そのお金で生活を豊かにする物やサービスを手に入れる方法。もう1つは、生活の不便さを自ら解決するために頑張ろうという方法です。

田内氏の著書『きみのお金は誰のため』(東洋経済新報社)。書影をクリックするとアマゾンにジャンプします。

前者の人ばかりが存在しても、生活は豊かになりません。後者の人がいるから、新しい物やサービスが生み出されるわけです。僕らがいま、スマホを使って便利な生活ができるのは、お金があるからではなくて、スマホを開発してくれた人がいるからです。

今、日本ではあわてて金融教育を始めていますが、現在の教育だと前者ばかりが増えてしまうのではないかと懸念しています。実際には、投資を受けた人や会社が世の中を便利にしていこうと考えて、新しくチャレンジしていくことが増えないと、世の中は成長していきません。

僕自身そういう、世の中をより豊かに、便利にするように働きかけるフィールドで働いてきたわけではないので、自戒の念でもあるのですけれど。

教育の内容が資産形成の話に偏っている

白川:もちろん投資される側の人たちの働きがあってこそ、初めて世の中が豊かになっていくんだということが前提にないといけないとは私も思います。ものごとの表層だけをとらえても意味ないですものね。

一方で、資産形成をするために投資をすることに関しては、私自身は別にそれもいいんじゃないかと思っています。

田内:最近、高校でも金融教育が始まっていて、銀行とか証券会社の人たちが、自分たちが教えますといって教育現場に入ってきているのですけれど……かなり内容が資産形成の話に偏っているんですよね。

資産形成について教えること自体は否定しませんが、投資っていうものが「お金を増やす手段だ」ということに特化して教えられてしまっているのではないかと危惧しています。

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