対話の現場/「世間」に配慮しつつ対話を成立させるには

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余計な配慮のような気もするが、私自身も、無意識のうちに「個人的には」という言葉を、言ったり書いたりしている。なかなか根の深いものであるようだ。

阿部氏も指摘していることだが、「世間」の定義は難しい。自分の所属する組織など、ごく狭い空間のことを意味する場合もあれば、広く日本社会全体にわたる場合もある。

冒頭で述べたように、菅首相の主張は「個人的な考え」へと追い込まれた。はたしてこれは、どのくらいの広さの「世間」に対する配慮を要請されたものなのだろうか。

基礎的知識の習得か個人的意見の主張か

テレビ番組で興味深い企画をやっていた。「所さんの目がテン!」(日本テレビ系列・7月30日放映)という番組である。

フランス人というと「芸術好き」というイメージがある。本当にそうなのか? それを検証するために、ダ・ヴィンチの「モナリザ」やムンクの「叫び」など、世界的名画5点を道行くフランス人に見せ、作者名と作品名を質問したのである。

結果は意外なものであった。ほとんどのフランス人は「モナリザ」がわかっただけで、残りの4点については作者名も作品名も答えられなかった。一方、同じ質問を道行く日本人にしたところ、ほとんどの人が3点以上について作者名も作品名も答えられたのである。

つまり、(少なくともこの検証では)世界的名画については、フランス人よりも日本人のほうが圧倒的に詳しかったのだ。

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