英語と思考を同時に磨く、魔法の5行エッセイ ハーバード流「非ネイティブ」の英語勉強法②

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週末はTシャツと短パンという人も多いのではないでしょうか。クールビズという制度とコートや上着が不要という事例を挙げることで、「服装が楽」という理由が、誰でも納得のできるものとなります。

(3)共感を誘う「情報」で理由を補強する

3つ目の理由は「家族と一緒に旅行ができる」というものでした。

理由③ I can travel with my family.(家族と一緒に旅行ができる)

 

証拠① Our firm encourages us to take two weeks off.(会社は2週間の休暇を取ることを奨励している)

証拠② My children have no school in August.(子供たちの学校が8月は休みになる)

近頃は日本でも「ワークライフバランス」という言葉がよく聞かれるようになりました。欧米並みとまではいかなくても、比較的長い休みが取れる会社も増えてきています。子どもたちも夏休みです。こうした社会に定着しつつある流れを情報として提示するのも、相手の共感を得るためには有効です。

複数の証拠を用意する

青野 仲達(あおの ちゅうたつ)ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授。早稲田大学政治経済学部政治学科を卒業後、外資系企業勤務を経てハーバード大学経営大学院にてMBAを取得。2004年に株式会社GABA(Gabaマンツーマン英会話)を設立、代表取締役社長として2006年に東証マザーズ上場。現在は大前研一氏が学長を務めるビジネス・ブレークスルー大学(BBT大学)で英語カリキュラムの設計に携わる。

――具体的な数字・事例・情報に基づく証拠を添えて、誰が見てもその理由が成り立つことを証明するわけですね。証拠の挙げ方で気をつけることはあるのでしょうか?

証拠を挙げる際は、その数を意識してください。ひとつの理由について2つか3つくらいが適当です。それ以上の候補があれば、その中から最も「説得力がある」情報を2つか3つ選ぶとよいでしょう。

証拠が「ひとつしかない」という状況は避けるべきです。単数(ひとつ)だと、相手は「それだけ?」と思ってしまいますが、複数(2つ以上)なら、(材料がほかになかったとしても)「まだあるのかも」と思わせることができます。

――なるほど。シンプルな5行エッセイですが、ちょっと踏み込んで工夫をすることで、さらに実践的なものになるんですね。

はい。こうして発展させたエッセイは、仕事上での提案や交渉、論文やプレゼンの内容を考えるときの下敷きとしても極めて有効です。

シンプルな主張を立てる、その主張を支える毛色の違う理由を考える、それらの理由を強化する複数の証拠を用意する。この一連の流れを意識してください。それに沿って訓練をすることで、何となくそう思うといった「感想」ではなく、世界のどこへ行っても相手を説得できる「自分の意見」を作れるようになるはずです。

青野 仲達 ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授

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あおの ちゅうたつ / Chutatsu Aono

ブルーフィールド株式会社代表取締役社長。早稲田大学政治経済学部政治学科を卒業。アメリカン・エキスプレスを経て、ハーバード大学経営大学院(Harvard Business School)にてMBAを取得。米国ボストンで世界最大級のオンライン英会話スクールとなったイングリッシュタウンの創業に携わり、2004年に株式会社GABA(Gabaマンツーマン英会話)を設立、2006年に代表取締役社長として東証マザーズ上場を果たす。著書に『MBA式英語学習法』(PHP研究所)、『リーダーになる人の英語力』(かんき出版)、『グローバル時代を生き抜くための ハーバード式英語学習法』『欧米人を論理的に説得するための ハーバード式ロジカル英語』(秀和システム)などがある。

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