「低年収の若者」無視した少子化対策が意味ない訳 高年収帯しか子育て世帯が増えていない現実

✎ 1〜 ✎ 113 ✎ 114 ✎ 115 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

まず、若者にしてみれば、結婚の意欲も子どもの希望も「お金の問題」と密接に関係します。20代の未婚男女を対象に、結婚の意欲と子どもの希望を年収別にクロス集計したもので見ていきましょう。

まず、「結婚に前向き」な層は、男性で7割、女性では8割が「子どもがほしい」と思っています。その中で、男性に関していえば、年収300万円未満は64%ともっとも低く、300~500万で71%、500万円以上の年収では78%が「子どもがほしい」と年収に応じて希望率も高まります。逆に、女性は年収の多寡で子どもの希望に大きな違いはありません。

一方、「結婚後ろ向き」かつ「子どもはほしくない」と回答している男女とも、年収が低いほどその割合が高まっています。

年収300万~400万円帯の婚姻が増えない

ここからわかるのは、結婚も子どもも20代の若者、特に男性にとって年収という「お金」の要素が大きく影響しているということです。ちなみに、20代の若者にとっては年収300万~400万円帯がボリューム層であり、ここの年収帯の婚姻が増えていないことが、現代の婚姻減につながっています。

「金がないから若者は結婚できない」という話をするたびに、SNS上では「そんなのは言い訳だ。昔だって金のない若者が結婚していた。そもそも裕福ではないからこそ結婚するメリットがあるのだ」ということを言う人がいるのですが、確かに昔はそうだったでしょう。「一人口は食えねど二人口は食える」という言葉もありました。夫婦二人で住居費や食費を負担すれば、それは一人暮らしするよりは一人当たりの負担も減ることも理屈上はそうでしょう。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事