ジム・ロジャーズ「世界恐慌への懸念は消えない」 再びトランプ大統領になったらどうなるのか

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ロジャーズ氏はインフレが緩やかになったとは思っておらず、何事にも上昇と下落のサイクルがあると指摘します。彼の考えでは、インフレは継続しており、庶民は再度物価上昇に苦しむことになると言います。

なぜなら、ここ数年、世界中で膨大な紙幣が印刷され、借金が行われてきたからです。歴史的に見ても、お金を大量に刷ればインフレになるのは明らかだからです。そしてインフレは今後も続くと予想しています。

「ブロック経済」が各地で戦争を引き起こす懸念

ロジャーズ氏は続けます。「今、世界ではブロック経済化が進んでいますが、これは今後も続くと考えています。歴史的に見ると、ブロック経済になると戦争が起こりやすくなります。今の状況が続くようなら、今後は世界各地で戦争が起こっていくでしょう。さまざまな面で世界は悪い方向に向かっていますから、注意しなければなりません」

「ブロック経済によって国同士の溝が深まっていくなかで、小さな誤解が生まれ、それが大きくなって戦争の引き金になる可能性があります。大きい戦争がはじまってしまえば、もはや戦争から抜け出すことはとても難しいでしょう。しかも、最初は戦争に意欲的だった人たちも、いずれは戦争に対して否定的になります。それでも戦争からは簡単には抜け出せません。戦争は、いとも簡単にはじまってしまうものなのです。ブロック経済はその引き金になる可能性があるという意味で、とても危険です」

11月5日のアメリカの大統領選挙が迫ってきました。6月27日のジョー・バイデン大統領とドナルド・トランプ前大統領のTV討論会が行われ、7月13日にはトランプ氏の暗殺未遂事件が起きたこともあり、アメリカ国内や市場は「もしトラ」から「ほぼトラ」になりました。しかし、その後バイデン大統領が選挙からの撤退を表明。カマラ・ハリス副大統領が候補となる可能性が高まり、選挙戦は混沌としています。

では、トランプ氏がもう一度大統領になったらどうなるか、その影響を討論会の前に聞いています。ロジャーズ氏はこう言います。

「トランプ氏を心配しているのは日本人だけではありません。アメリカ人を含めた世界の多くの人々がトランプ氏を心配しています。トランプ氏が大統領になっても、そのうちのいくつかの政策は問題なさそうです」

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