ジム・ロジャーズ「世界恐慌への懸念は消えない」 再びトランプ大統領になったらどうなるのか

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次の金融ショックを懸念するロジャーズ氏。すでに相場の下落は始まったのだろうか(写真:Luxpho〈Takao Hara〉)

シンガポール在住、ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。

世界三大投資家と言われるジム・ロジャーズ氏と飲食チェーン大手・ワタミの会長兼社長である渡邉美樹氏との対談本『「大暴落」金融バブル大崩壊と日本破綻のシナリオ』(プレジデント社)が好評です。引き続き、最新のロジャーズ氏への取材から、インフレとブロック経済の弊害、「もしトラ」「ほぼトラ」の懸念について、掘り下げていきます。

次の金融ショックは「これまでにない激しいもの」に

ロジャーズ氏は、これまでも金利上昇が世界経済にもたらす影響について懸念を示してきました。「2008年のリーマンショック以降、世界各国の金利は、つい最近まで歴史的な低水準が続いてきました。1970年代まで遡っても、金利は一貫して下落傾向をたどってきました。政治家や中央銀行は金利を低くすれば低くするほど、消費が増えて経済が潤うと考えています。低金利であれば、国民がお金を借りやすくなるからです」。

つまり、政治家や中銀は、金利を低くすることこそが、自分の仕事を存続させる唯一の手段だと思っている、というわけです。

「ですから、約40年の間、金利はどんどん低下する一方だったのですが、最近になってインフレになり、それを抑え込むために金利が上昇しはじめました。しかし、金利上昇によってこれまで何十年間もたまってきたツケが回りはじめています。借金を増やし続けるということは、どこかで大きなツケを払わなければなりません。もう間もなく、そのときが来るのではないかと、私は恐れています」

「とくに2008年以降は、日本、アメリカ、ヨーロッパのみならず、中国も多額の借金を抱えるようになっているので、次回のショックはこれまでに経験をしたことがないほど激しいものになるのではないかと考えています」。

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