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意外と共通点多い、バイデン・トランプの経済政策 関税、医療、金融、エネルギー。各分野を徹底分析

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11月の大統領選に向け、企業が注視すべき「もし〇〇」の動向とは。

車のミラー
EVの普及をめぐる綱引きはあるが、両候補の「共通点」にも目くばせしておく必要がある(写真:Pete Kiehart/The New York Times)

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現職のバイデン大統領とトランプ前大統領の一騎打ちとなった、アメリカの大統領選挙。選挙戦の争点において、両者の経済政策はとりわけ大きな注目を集めている。
日本企業を含め、ビジネスリーダーは大統領選の影響をどう読めばいいのか。イギリスの戦略コンサルティング会社・ブランズウィックグループで、アメリカ公共政策の統括責任者を務めるランヒー・チェン氏に聞いた。

――バイデンとトランプの経済政策における違いと類似点について、どのようにみていますか。

両候補の人物像や所属政党の極端な志向によって、2人が掲げる政策の共通点は少ないと思われるかもしれない。しかし例えば通商分野では、両者の考えは違いよりも共通点が際立っている。バイデンは5月中旬、180億ドル相当の中国からの輸入に対して関税を引き上げるよう通商代表部(USTR)に指示した。

今回の追加関税は、中国製の電気自動車(EV)に対しては現在の4倍の100%、太陽電池と半導体に対しては2倍の50%といった内容が含まれる。バイデンはトランプのような「アメリカファースト」のアプローチを明示的に支持していないが、主に企業利益の観点から、中国に対してはトランプ前大統領と同じスタンスを取っている。対中国関税を残すことが、アメリカにおける雇用創出に役立つという考えだ。

医療・金融分野でも似通う政策方針

医療や金融をめぐる政策についても、両者の方針には共通点がある。医療についてバイデンは、民間の保険制度に対抗する公的医療保険制度を創設する公的制度の導入を検討している一方、トランプは大統領就任1年目に試みて失敗した医療保険制度改革法(ACA、通称オバマケア)の廃止と置き換えを支持し続けている。

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