休日を「寝てよう日」にする人、疲れが取れない訳 疲労を加速させる睡眠を「休養学」博士が解説

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自律神経がはたらくサーカディアンリズムに沿って、規則正しい生活を送ることが自律神経を整えることになります。これが活力を高める第一歩です。

睡眠のリズムを整える3つの方法

中には「よく眠れない」という人もいるかと思います。

いったん睡眠のリズムが狂うと、なかなか寝つけなかったり、昼間に眠気が襲ってきたりと、思いどおりにならないものです。

しかし、調整する方法がないわけではありません。現在、医療で使われている睡眠薬には大きく分けて恒常性調節系、覚醒調節系、体内時計系の3種類があります(図表)。

休養
(出典:『休養学』)

それぞれの薬が体のどこにどんなふうに作用するかという効き方を知れば、薬を飲まなくても、どうすれば眠りにつきやすくなるか、自分の場合は何が安眠を妨げているのかが理解できるようになるでしょう。

まずは「恒常性調節系」とでもいうべき方法です。恒常性調節系という名称は、人間は眠くなったら寝るのが恒常的なサイクルなので、そこからついたのでしょう。

興奮して寝つけない人にはGABAという気持ちを落ち着かせる神経伝達物質を処方して、「もっとリラックスして、落ち着いてゆっくりお休みなさい」と働きかけて、恒常性をとりもどそうとする方法です。最近、チョコレートやガムにGABAが入っている商品をよく見かけますね。
   
 要は、薬を飲まなくても気持ちが落ち着くようにすればいいわけです。「興奮して寝られないことが多い」という自覚のある人は、寝る前に交感神経を刺激するようなことは避け、副交感神経を高める工夫をするといいでしょう。

片野 秀樹 博士(医学)、日本リカバリー協会代表理事

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かたの ひでき / Hideki Katano

東海大学大学院医学研究科、東海大学健康科学部研究員、東海大学医学部研究員、日本体育大学体育学部研究員、特定国立研究開発法人理化学研究所客員研究員を経て、現在は一般財団法人博慈会老人病研究所客員研究員、一般社団法人日本未病総合研究所未病公認講師(休養学)も務める。日本リカバリー協会では、休養に関する社会の不理解解消やリテラシー向上を目指して啓発活動に取り組んでいる。編著書に『休養学基礎:疲労を防ぐ!健康指導に活かす』(共編著、メディカ出版)。

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