60歳で難病「岸博幸さん」残りの人生の"優先順位" 病になって気づいた事、インタビュー前編

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ただ、結婚して、子どもができると、そうはいかなくなるもの。子どもの世話はしないといけないし、お金を稼がないといけない。気が付くと、自分のことより家族や仕事を優先するようになっていた。

もちろん、それは大事だし、勉強になることも多かったけれど、人生楽しかったかって考えると、「楽しくないよね」と。

残り10年しかないんだから、自分よりまわりを優先させるのはやめよう、もっと好き勝手やって、自分が楽しく過ごせるようにしようって思ったわけ。

そんなことを考える時間ができたという点では、病気になってよかったと思う。これは強がりでもなんでもなくて、本心です。

仕事とプライベートで優先したこと

――実際に、ハッピーとエンジョイの生活を始めていかがですか?

仕事に関していえば、政策を作る仕事とか、地方を活性化させる仕事とか、そういう自分がやりたいと思う仕事を優先するようになった。そういう仕事って収入につながらないんだけれど、やっぱり楽しい。

岸博幸 経済評論家 余命10年
岸博幸さん(撮影:今井康一)

プライベートに関しては、さっそく3月にヘビメタバンドのコンサートを観るために、ニューヨークに2泊4日で行ってきました。秋にもヨーロッパに行く予定。本当は今この瞬間もアメリカに行きたい。NBAのプレイオフの真っ最中だから(笑)。

ただね、残念ながらこの病気になって、1年。最近は体の傾向がわかってきて、やっぱり忙しいのが続いて疲れると、てきめんに体調が悪くなるんですよ。だから無理をしないレベルで、とにかく好きなことをやるようになりましたね。

これは笑い話だけれど、疲れて体調悪くなったときにタバコを吸うと心臓が苦しいんですよ。だからタバコは体調のバロメーターなんです。

――心臓が苦しくなる?え、それでも吸い続けたんですか!

しょうがないから(笑)。もう習慣ですよ。

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