自分を追い詰めていた「思考のクセ」に気付く方法 心のメガネは何才からでもかけ替えられる

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それまでMさんは、パワハラで苦しむのは、その上司のせいだと思っていました。もちろん、それ自体は間違っていません。でも、Mさんはさらに考えて、自分がその上司の下に居続けるのは、自分が次のように思っているからだと気がつきました。

・自分自身が心のどこかで「ひどい扱いを受けていい」と思っていたかもしれない。
・上司のもとに居続けるという選択は、自分がしていた。
・自分自身が行動のストッパーとなっていた。

Mさんの認識のメガネが変わった瞬間でした。

ここからMさんの行動は一気に加速していきます。まず、その上司のことを会社に告発しました。あとからわかったそうですが、その人は前から何度も問題視される行動を繰り返していたそうです。会社も問題を認識して、別の部署に異動になりました。

自分の意思でかけるメガネを決める

さらに、Mさんは、自分のやりたい仕事をしようと考え、もともと興味があった新興国の事業開発をやっている人たちとの関わりを増やし、自身も新事業のビジネスプランを考えてみることにしました。

実際に動いてみたら、多くの人からビジネスプランに対してポジティブなフィードバックをもらい、ノートにはこんな言葉が並んでいました。

・Aさん、Bさんから「正解はない。いいことなのだからやればいい」と言ってもらえた。
・「あなたのしたいことは、社会から必要とされているから大丈夫」と言ってもらえた。
・ビジネスモデルの発表。思った以上に反応悪くない。

自ら動くことで、いい反応をたくさんもらい、Mさんは「自分でもできるかもしれない!」と思えるまで自信が回復していきました。さらに積極的になって、働きながら通っていた大学院のプロジェクトに参加したり、クラスのリーダーに選ばれたりして、一気に環境が変わっていきました。

そして現在は、青年海外協力隊に合格し、新興国のビジネスプランを叶えるためのアクションを起こしています。

・誰も自分の行動を止めていなかった。
・自分がストッパーになるのをやめたら、何でも行動できる。

Mさんにとって、この気づきは、自分の人生の舵取りを取り戻す経験となりました。

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自分の力でメガネを変えることができた経験は、自分を力強く感じさせ、自信があふれてきます。特に、ずっと人にかけられたメガネで生きてきた人は、人生の主役を取り戻した感覚すらあると思います。

振り返りを習慣化することで、日常の中で、自分がどのようなメガネをかけているかに気がつき、新しいメガネを手に入れることができます。メガネが変わる瞬間は、ガラッと世界の見え方が変わる感動的な体験になるでしょう。

自分の意思で、どのようなメガネをかけて生きていくのかを決めていきましょう。

山田 智恵 株式会社ダイジョーブ代表取締役

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やまだ ともえ / Tomoe Yamada

1977年に東京で生まれ、慶応義塾大学法学部・慶応義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)を卒業。父親が経営する会社に入社するも、2009年にリーマンショックの煽りを受けて、民事再生を申請。創業者である父と家族全員が会社を去ることとなり、一家全員無職になる。人生に絶望するも、2010年からノートを使った振り返りをはじめ、そこから人生が好転。転職した一部上場企業ではソーシャルメディア事業部部長として活躍し、外資系ベンチャー企業の役員を同時に務める。2016年に株式会社ダイジョーブを起業。

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