「日本の発酵食品」西洋との比較で決定的な違い 東洋文化圏でカビを利用する発酵食品が多い事情
最近は、プラスチック製のストローやお皿の代わりに、紙ストローや紙皿を利用したりすることも多くなりました。ですが、紙はプラスチックと違って、湿気を吸ってしまいます。下手すると、長期間の保存中にカビが生えてしまったりします。押し入れに入れておいた昔の取扱説明書にカビが生えてしまった経験など皆さんもあるのではないでしょうか。
私は、必要以上に自然環境に負荷をかける必要はないと思いますし、例えば、プラスチックを野生動物が誤飲していることなどは、できるだけなくしていきたいということに異存はありません。
一方で、そもそも気候的に乾燥した国や地域に住まわれている方が提唱する、プラスチックを使わない生活の難易度と、日本のように高温多湿でジメジメしたカビの生えやすい(そして、他の微生物も繁殖しやすい)地域に住んでいる人々にとっての廃プラスチック社会実現の難易度を、同じにして考えるのは無理があると考えています。
今、気候や環境の変動について考えることは避けて通れない社会になっています。微生物は自然環境の根幹です。発酵食品を通じて、自分たちの住む地域の微生物の特性を知って、自分の地域の実情を踏まえた上で、地球規模で考える必要があるでしょう。
世界の発酵食品の分類②用途・原料による分類
次に、発酵食品を「調味料」「アルコール・飲料」「主食」「おかず・副菜」と、用途に分けて考えてみましょう。
例えば、日本の発酵食品をこれらに分けて考えると、
アルコール・飲料……日本酒、焼酎、あま酒、発酵茶 など
主食……寿司(酢飯)
おかず・副菜……漬物、納豆、くさや、塩辛、肉の麹漬け など
となります。こうしてみると、日本の発酵食品はさまざまな用途に用いられていることがわかります。