住生活グループ新社長に藤森義明氏が就任、米GEのキャリア生かしグローバル企業への変革急ぐ
--為替は円の独歩高となっているが。
円高は日本以外の拠点にはメリットがある。私は、コストを下げるために世界へ出るというのは古いやり方だと思っている。本当のグローバル化とは、トヨタやホンダのように、現地生産、現地消費のモデルをつくること。いわば地産地消の海外版が望ましい。
海外を生産戦略のなかで位置づけるだけではなく、海外で根付かせて、そこでいちばんいいものを日本に持ってくる。日本は日本での地産地消でやるべき。国内にいても生産性を高める余地はあるはず。
円高や株安、米国景気の後退が日本の経済、産業活動にどう影響するかは、しばらく様子を見ないとわからないが、国内では高齢化や省エネといった大きな流れは変わらない。
先述のような新しいビジネスを追いかけていれば、会社としての健全性は保たれるのではないか。苦しいときに手を打てば、景気回復は追い風になる。
--社長就任前に2年間、アドバイザーを務めたとのことだが、藤森社長のアイデアが実現した例は。
社内会社制を採っているGEでの経験を踏まえて、会社としての構造をどうするかなどについて一緒に考えた。ホールディング会社の下にいくつもの会社をぶらさげるのは効率が悪い。
プロダクトごとの会社に分けるとか、つくる会社と売る会社に分けるとか、統合して効率のよい組織にするべきだと提案した。4月からLIXILという形になったことには、その議論が生かされていると思う。