住生活グループ新社長に藤森義明氏が就任、米GEのキャリア生かしグローバル企業への変革急ぐ
8月1日、住宅設備最大手、住生活グループの取締役代表執行役社長兼CEOに、元日本GE取締役会長の藤森義明氏が就任。就任後の9日、記者懇談会で今後の抱負を披露した。
藤森氏は、日商岩井(現双日)を経て米国の大手電機機器メーカー、ゼネラル・エレクトリック(GE)社に入社。以後25年間、多国籍の人材が切磋琢磨するGE社内でキャリアを積み上げ、米国の医療、プラスチックの事業会社トップ、アジア地域統括会社トップなどを歴任した。
「60歳になったら、日本のために何かをしたい」という思いから、過去数年間、勉強会などを通じてさまざまな日本企業の経営者と接触する中で、住生活グループの潮田洋一郎会長と出会い、2年間同社のアドバイザーを務めたあと、潮田会長の依頼に応える形で同社社長への就任を決めたという。
「社外取締役などを依頼したいというオファーはいくつもいただいたが、建設関連というドメスティックな会社だからこそ、グローバルへの展開の可能性も大きく、新しいビジネスモデルを作り上げることができる。潮田さんの考え方や性格と合わせて、一番おもしろいと考えた」(藤森社長)。
住生活グループは、アルミサッシなどの金属建材メーカーのトステムと、住設機器メーカーのINAXが経営統合して発足。その後、ニッタン(防災機器)、サンウェーブ工業(キッチン)、新日軽(金属建材)などを次々に買収し、事業基盤を拡大してきた。
4月には傘下のトステム、INAX、新日軽、サンウェーブ、TOEX(東洋エクステリア)の5社がLIXILに統合。重複業務の整理などの効率化を進める一方、並行して拡大路線を続けており、今年に入ってからも川島織物セルコン(インテリア)、ハイビック(木材加工)の完全子会社、イタリアのカーテンウォール(外壁材)大手パルマスティーリザの買収を決定。
一方で、シャープとの合弁設立、セコムとの業務提携など、異業種を巻き込む形で、住生活関連分野の「台風の目」的な存在となっている。