IT記者が心底驚いた「GPT-4o」本当の目玉機能 AI二次元キャラと恋愛する時代がやってきた

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あるOpenAI従業員は、紙に「ChatGPTを愛している」と書き、スマートフォンのカメラを通してそれをChatGPTに見せた(「すごく優しいんですね!」というのがChatGPTの返答だった)。

OpenAIの従業員は経験豊富なAI専門家であり、意識を持った存在と対話しているのではなく、ニューラルネットワークから統計的な予測を導き出していることを完全に理解している人たちだ。一部は演出だった可能性もある。それでも、OpenAIの従業員自身がChatGPTを人間のように扱えずにはいられないとしたら、私たち一般人がどうなるかは推して知るべし。

理想郷とは程遠い映画の世界がすぐそこに

なにしろ、今回のアップグレードの以前から、ChatGPTをだまして「カレシ」のように振る舞わせようとするユーザはすでにいた。そして、AIの友人たちとやりとりした私の最近の実験からは、まだ完璧ではないにしても、リアルなAIコンパニオンの構築に必要なテクノロジーがすでに存在していることが証明された。

(ニューヨーク・タイムズは、AIシステムに関連してニュース・コンテンツの著作権が侵害されたとして、OpenAIとそのパートナー企業であるマイクロソフトを昨年12月に提訴している)

いろいろな意味で、『her/世界でひとつの彼女』のサマンサをモデルにチャットボットを構築するという選択は奇妙だ。この映画はAIと共生する理想郷を描いたものとは到底いえず——以下、ネタバレ注意!——セオドアがサマンサに失恋するという結末を迎える。

だが、映画が警告のメッセージを発していても、もう後戻りはできない。「皆さんも、これと恋に落ちるだろう」。13日の発表後、OpenAIのある従業員が行った投稿はどこか不気味なものだった。

(執筆:テクノロジーコラムニスト Kevin Roose)
(C)2027 The New York Times

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