レジで怒鳴る高齢者に絶対にしてはいけない言動 相手の「老害力」を下げるためにできる1つのこと

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どうやら、お釣りを受け取る際に小銭を床にバラバラと落としてしまったようなのです。店員さんは、アルバイト学生とおぼしき若い女性。何度も謝っていますが、この高齢女性の勢いは止まりません。大声でずっと同じことをくり返しています。

当然、会計待ちの行列は伸びるばかり。列に並んでいるお客さんたちのイライラも、どんどん募っていきます。

(出所:『「老害の人」にならないコツ』より)

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

私はこの高齢女性の行動を見て、「仕方がないのかな」と思いつつ、第三者がこの騒動に加わって、さらにやっかいな状況にならないかと心配になりました。

この高齢女性を仮にTさんとしましょう。大声でまくしたてることの是非はさておき、もしかしたら本当に店員さんのお釣りの渡し方が乱暴だったかもしれないので、Tさんのほうが悪いと決めつけることはできません。
いいがかりや理不尽なクレームではなく、実際にあった店員さんのミスを指摘している可能性があります。

その一方で、店員さんにほとんど落ち度はなく、ていねいにお釣りを渡したにもかかわらず、Tさんが落としてしまった可能性も否定できないでしょう。というより、おそらくこちらが事実という公算が大きいと思います。なぜなら、次のような理由が考えられるからです。

トラブルの原因は高齢者側にあることが多い

人間は50代になると手に持っている物の感覚が弱まり、70代からその傾向が顕著になります。すると、物を落としやすくなるのです。また、65歳以上になると手先の感覚は若いころの半分になり、物を持つ力は30%減少するという報告もあります。

つまりTさんは、加齢による触覚の変化により「お釣りを乱暴に渡された」と感じ、そのうえで物を持つ力が落ちてきているので、うまく小銭をつかめず下に落としてしまったかもしれないのです。

そして、その後の店員さんの謝り方や声のボリュームに対して文句を言っているのは、Tさんの聴力に起因すると考えられます。なぜなら、70代で半分近く、80代以上では70%以上の人が難聴になることがわかっているからです。

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