高2で自宅が火事に、「悟った」運命の切り拓き方 「いまある状況」「いまの自分」をどう見るか

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“モヤモヤ”の原因だと思われる要素を、ひとつひとつ洗い出してみるのです。そうすれば原因は必ず見つかりますから、あとはそれを翌日やそれ以降にクリアにするだけ。

それに、そこまで考えて納得できれば、そのうち自然と眠たくなってきます。だから、そのまま眠って翌朝目を覚ませば、そのときには「昨晩考えたことを、これから形にしよう」と多少なりとも前向きな気分になれるはずなのです。

「いま足りないもの」を探す

モヤモヤとした感情が心のどこかにわだかまっているとしたら、それは自分が求めているなにかが足りないからかもしれません。だとすれば、その“足りないなにか〞を手に入れられれば、少なくともその時点でのモヤモヤは解消できるわけです。

もし、なにか欲しいもの、手に入れたいものがあって、でも手に入れることができず、「○○が欲しいけれど、手に入れられないからモヤモヤしている」というような状況にあるのなら、方法はいたってシンプル。一生懸命働いてお金を貯めるなどして、なんとか○○を手に入れられる状況をつくればいいわけです。

物質的なものではない、たとえば仕事などについての「あの結果にたどりつきたい」というような思いにしてもそう。たどりつきたいのであれば、それなりの努力をして、たどりつけばいいのです。

いたって当たり前のことですが、実際のところ、それができていない方も少なくないはず。

なぜならそういう方は多くの場合、やる前から「どうせ無理でしょ」などとあきらめてしまうからです。いわば、抗っていないのです。だとしたら、やってみたほうがいいに決まっているじゃないですか。

抗う練習
『抗う練習』(フォレスト出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

もちろん、どれだけ努力したからといって、結果が保証されているわけではありません。「必ず手に入れられる」とは誰にも断言できませんし、時には失敗に終わることもあるからです。

いや、現実的には「努力したから手に入れられた」ということより、「努力したけどダメだった」ということのほうが多いかもしれません。

しかし「乗り越えた」ことが事実であるなら、そのときには○○とは別の、大切ななにかを手に入れているはずです。

じつは、もともと欲しかった○○よりも、そちらのほうが人間形成という意味では大きかったりもします。もちろん、欲しかったものが手に入れば、それに越したことはありませんけどね。

印南 敦史 作家、書評家

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いんなみ あつし / Atsushi Innami

1962年生まれ。東京都出身。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。「ライフハッカー・ジャパン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.jp」「文春オンライン」などで連載を持つほか、「Pen」など紙媒体にも寄稿。『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(PHP文庫)、『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(日本実業出版社)『「書くのが苦手」な人のための文章術』(PHP研究所)、『先延ばしをなくす朝の習慣』(秀和システム)など著作多数。最新刊は『抗う練習』(フォレスト出版)。

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