昨年後半から今年前半にかけて、複数の充電インフラサービス事業者が開催した事業説明会を取材したが、ライバル各社の事業に対する牽制球を投げ合っている印象を持った。
2024年度の国の充電インフラ補助金には、前年度の約2倍となる360億円が設定されている。この使徒について、充電インフラサービス事業者各社から、充電インフラの設置場所や設置状況が「ユーザーにとって実効性の高いもの」を優先するべきとの声があがっている。
国は、こうした現場の声を十分に理解したうえで、補助金の申請手続きを厳密化することになるだろう。
メーカー(インポーター)主導の充電インフラとして、アウディ/フォルクスワーゲン/ポルシェの3ブランドが「プレミアム チャージング アライアンス(PCA)」を組み、2024年4月時点で全国356拠点を展開。出力150kWまたは90kWの急速充電器を設置している。
また、アウディジャパンは、都市部での充電拠点不足の解決策として、蓄電池を備えた急速充電器施設「アウディ チャージング ハブ」の展開を発表しており、4月26日にその第1弾を東京・紀尾井町にオープンさせた。
いまだ解決していない「EV三重苦」
では、充電インフラ数が一気に増えれば、「鶏が先か、卵が先か」という議論の堂々巡りは終わって、本格的にEVが普及するようになるのだろか。
私見では「話はそう簡単には進まない」と思う。
これまで「EV普及に向けた3大課題」として「車両価格が高いこと」「充電インフラが少ない」、そして「充電時間が長い割に航続距離が短い」が言われてきた。
このうち「充電時間が長い割には航続距離が短いこと」は、前述のような国の施策によって、理論上は解消する。
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