「学校で暴れるわが子」を見た母親にかけた"言葉" 「にんじん嫌い」は子どものわがままじゃない?

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でもね、親に気を遣わないで、「大根、いやだー」って言いたい放題言ってくれる子どもたちは、ありがたい存在ですよ。のびやかで、いいじゃないですか! 我慢しないで、家で好き放題自分を出してくれていると思えばいいんです。

「この子たちは母親の私に対して、自分の言葉で自分の思っていることを伝えてくれている」「この子、気を遣わずに、安心してこの家にいるんだなぁ」と。

そんなことに幸せを感じられる母親になりましょう。

そこに気づけたら「よっしゃっ!」って、心の中で小さくガッツポーズですよ!

「忙しくて疲れている母親にもうちょっと気を遣って『おいしい』のひとことでも言えばいいのに」なんて思うほうが、わがままなんじゃない?

「大根、いやだー」

「こんなんみそ汁いやー」

 って今度言われたら、

「残念でした! 今日はハズレ。明日の夕ごはんはアタリだといいね」

って、しれっと返せばいいですよ。

そうしたら、むちゃくちゃ楽しい夕ごはんになりませんか?

暴れる場所があって、よかった

今ほど「子どもが家で好き放題、言いたいことを言ってくれるのはありがたいこと」だというお話をしました。それと真逆の話ですが、こんな親子がいました。

天真らんまんなとても元気のいい男の子でした。運動も得意で「マラソン大会で1位になった」と、周囲にも朗らかに話すような子です。

ところが、お父さんが突然リストラに遭い、職を失います。そこから、家族の暮らしが一変しました。専業主婦だったお母さんもパートを掛け持ちして働くようになりました。

しばらくして、この子が授業中に暴れ出すようになったんです。授業が始まると15分もしないうちにわーっと暴れ出して、廊下に駆け出したりするようになりました。

家が大変な状況であることは、校長の私もわかっていました。

そこである日、お母さんを学校に呼んで、息子さんの様子を見てもらうことにしたんです。

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