8年ぶり新作「サガ」万人受けしないけど面白い理由 特殊すぎるバトル、ざっくりとしたストーリー

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

最後は主人公であるロボットの歌姫以外すべての味方がやられた状況になり、歌姫も残りHPがごくわずかであった。もはや絶体絶命であり、やり直しが頭をよぎる。

しかし、味方がやられているため歌姫のひとり連携が発動。彼女は最後の力を振り絞りながら戦い、雪が舞い、花が散り乱れる「乱れ雪月花」という美しい技でラスボスを撃破した。

苦労の果てに、しかも最後の最後に主人公が見事な技で最後の敵を倒すとは、いくらなんでも出来すぎではないかと思えるほどの展開であった。

その後は前述のように、歌姫が唐突に歌って物語が終わりを迎えた。だが、このバトルの展開こそがドラマティックで美しい「私だけの物語」になったといえる。

偶発性によってバトル内容が変化

本作には、連携や独壇場のほかに、バトル中に新たな技を覚える「閃き」といった偶発性によってバトル内容が変化する要素が盛り込まれている。

シリーズおなじみの「閃き」。技を覚えるアクションなのだが、いつ発生するかランダム性があり、意外な展開を生んでくれる(画像は任天堂公式サイトより)

この偶発性により、誰がどんな状況でどのような技で戦うのかはつねに変化する。つまり、「出来すぎに見える偶発的な展開」をプレーヤーが体験できるよう、意図的に作り出しているのが『サガ エメラルド ビヨンド』のスゴいところなのである。

いわば、ゲーム内で用意された物語よりも、バトルを通じてそれぞれのプレーヤーが見た物語(展開)に感動するようなゲームといえる。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事