部下の90%が動く、今日からできる「話し方改革」 部下のタイプに合った従いやすい指示の出し方
この改革で最も重要なのは、話を伝える部下の「順序」である。正しい順序は以下の通り。
②エリート自燃人(個別告知)
③ジャスティス不燃人(個別告知)
メンバー全員への全体告知
④ピュア自然人
⑤アーリー可燃人
⑥レイト可燃人
⑦こじらせ不燃人
全体への告知前に特定の3タイプの人々と事前に話し合うことが肝要である。これを一般に「根回し」と称する。
まず、クセのある自燃人から接触するのが理想である。「まだ誰にも伝えていないが、君には先に知っておいてほしい」といった特別扱いが彼らには効果的だ。上司からの直接の言葉を重んじる傾向にあるため、その点をうまく活かし続けることが大切である。
次にエリート自燃人へは、上司以上に洞察力があるため、指示の意図をしっかりと説明し、「どう思う?」と相談形式で接する。彼らの返答は戦略を練る上での貴重な手がかりになる。誤った仮説を設定していた場合、優しく正しい方向へ導いてくれるだろう。
ジャスティス不燃人に対しては、最も準備が必要だ。指示の妥当性を、裁判官に説明するように、事実とデータをもって彼らを説得する。彼らが納得すれば、その指示が妥当であるという「お墨付き」を得たと同義である。
重要な「可燃人」対策
「話し方改革」の後半戦では、事前の根回しを終えた上で、組織メンバー全体に向けた告知が中心となる。このとき、ジャスティス不燃人に納得してもらった鉄壁の論理で話を進め、熱意も込めることが重要だ。クセのある自燃人には目配せをして、彼らの協力を引き出す。
「課長の言うとおりですね。やりましょう!」
といった反応が得られる可能性がある。ピュア自燃人はこの時初めて情報を得るが、彼らは単純で受け入れが早い。
「そうですか。わかりました!」
とすぐに答えるだろう。このグループには特別な準備は必要ない。多くの組織メンバーは「可燃人」に分類され、変化に対しては自然と抵抗する傾向にある。彼らは周囲の反応を見て自らの態度を決める。
「マジか……」
という反応が典型的だ。特にエリート自燃人の反応を注視する。彼らが納得しているように見えれば、「可燃人」も外堀が埋まったと感じるだろう。
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