5月以降の日経平均を決める最大のヤマ場が来た 強気継続でもGW中の相場急変には注意が必要だ
貿易額は輸出が伸び、輸入が減少している可能性があり、貿易収支はプラス展開している可能性もある。介入効果があるなしではなく、無理して介入する必要がないのだろう。
しかし、原油やその他の資源価格がボーダーラインを超えたときには、158円(あるいはそれ以下の円高水準)でも介入ポイントになることは十分考えられる。
もちろん当局が、原油価格が何ドルになると為替メリットがデメリットに変わると考えているかは厳密にはわからない。だが、重要なカギを握るのは原油価格だといえる。
株式市場にも複雑な影響を与える原油価格
私は、昨年から今回のデフレ脱却相場の中心に銀行株を置いてきた。早い遅いはあっても、金利が上がる環境では銀行が最も恩恵を受ける業種だと思うからだ。
実は、その銀行株の人気にも原油価格が関わっている。前述のとおり、原油価格が上昇すると、日本にとって悪い円安の領域に入る。介入、そして利上げとなると、ハイテク株が下がり、日経平均株価も下がる可能性がある。
だが、その状態を救うのが銀行株になると思っている。原油が上がると銀行株も上がるという関係だ。実際、原油価格が2024年初頭の1バレル=約70ドルから現在の80ドル台へと上がる過程で、銀行株は完全に連動している。
4月に入って銀行株はやや調整を見せているが、これは約2年にわたって大きく上昇して来た相場が、3月17日のマイナス金利解除によって1つのエポック(時代)が終わったためだ。言ってみれば、金利のある世界での出発時の調整であり、決して原油価格との連動性が崩れたわけではないと考えている。
今のところ、原油価格は中東情勢が緊迫しても上値は限定的になっているが、スエズ運河だけでなく、水不足で苦しむパナマ運河の封鎖危機がなくなったわけではない。いろいろな意味で、原油価格から目が離せない。
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