激減した「サブウェイ」じわり復活している事情 意外と知られていない「パンへのこだわり」
このように、チェーンとしての特徴、知名度、品質などがそろっているサブウェイが、一時激減したのはなぜだったのだろうか。前述の土井氏によると、「急激な増加に、商品やサービス品質の徹底が追いつけなかったこと」が原因だったという。
実はサブウェイはフランチャイズ展開を前提としたビジネス。日本でも、サントリー時代は直営店も混在していたが、徐々に直営を減らし、現在は1店舗を除いてすべてFC店となっている。
低迷を鑑みトレーニングプログラムを見直した
つまり、サブウェイは商品づくりから接客はもちろん、種類の多い具材の準備、在庫管理に至るまで店舗ごとの果たす役割が大きい。そんなビジネスモデルであるにもかかわらず、ノウハウがすべてのFC店に徹底されなかったことで、商品・サービス品質が低下し、客の減少につながったのだという。
こうした結果に鑑み、日本サブウェイでは出店を抑えながら、新規オーナーに対するトレーニングプログラムの見直しを行った。
「以前の研修は、現場での運営に関しての研修が主体だった。現在は、これに追加してフランチャイズオーナー様に対して、このビジネスが成功するための、1週間の研修を追加している。1店舗でも多くの店舗数、また、長く運営ができるようにトレーニングしている」(土井氏)
例えばサンドイッチは、ただおいしく、美しく作ればよいというものではない。テイクアウトの割合が高いため、スピードも重視されるのだ。土井氏によると、注文から会計まで約2分30秒を目標に提供されている。社内コンテストなどにより技術の向上を推奨しており、おすすめサンドイッチを30秒以内で作れるスタッフもいるそうだ。
また食品ロスを防ぐため、パンに挟む具材量の正確さも重要だ。
そのため、店舗では、スタッフがシフトに入るときに毎回「ポーションチェック」と呼ばれるテストを行うという。つまり、決められた具材量でサンドイッチが作れるかのチェックだ。
復活戦略としてほかに行ったのが、SNSによる認知度拡大だ。Xでは「#がんばるんだサブウェイ」を合言葉に、全国から出店希望地を募集。フォロワーは116万人に達し、撤退してしまった地域からの復活希望を含め、年間2000件の出店リクエストが寄せられる。
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