レノボとNECの組織統合はしない。それぞれの顧客を大切にすることが大事--NECレノボ・ジャパン副社長 内藤在正
--スマートフォンやタブレット型PCが成長する一方で、PCの伸びが食われているといわれています。
それは幻想です。PCは高度な機能を持つプロダクティブツールとして、今後もなくてはならないものです。便利さが重視される、ネットのパフォーマンスを利用するツールであるモバイルとは目的が違います。
パフォーマンス向上に対する要求も、CPU(中央処理装置)の機能やワイヤレス通信の速度など、とどまるところを知りません。タブレットタイプにはできないことを、ハードを意識せずストレスなく使う。このためにやることはいくらでもあります。
コンシューマー向けの「Idea」にしても、OSにこだわらずに使える仕組みの開発など、発展の余地はまだまだあります。
--レノボは世界的なPCメーカーとして、強い開発力や生産力を持っています。NECは国内トップシェアとはいえ、狭い日本市場の中のガラパゴス的なものです。効率化を含め、総合力を発揮するためには、NECを統合するのが自然に思えます。
レノボとNECの組織統合はやりません。NEC、レノボ、それぞれの顧客を大切にするということが最も大事なことで、単純に統合すればいいとは考えていません。
もちろん、双方のアイデアを持ち寄って次の開発に生かすなど、技術レベルでの交流は積極的に進めます。レノボはワールドワイドスケールでのビジネス経験があり、マスマーケットに対して良いものを低価格で大量に送り出すノウハウを持っています。
一方、NECの持つ日本市場に特化した技術には、すばらしい力があります。この技術を世界のスタンダードにどう組み込んでいくか。ソニーのウォークマンのような世界的なヒット商品を生み出すために、われわれ2社は補完できる関係にあります。